令和2年度 北里研究所病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
  

   DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標です。
   ※患者数が10未満の場合は個人が特定されないようにハイフンで表示しています 。    
   ※当院の一般病棟を退院された患者様のデータを集計の対象として作成しております

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 45 108 165 317 484 645 848 649 229
昨年度と同様、70歳代の患者様が最も多いです。全体の中で、70歳以上の患者様が約半数を占めています。
逆に20代以下の患者様は5%未満となっています。
※DPC(診断群分類に基づく1日ごとの支払方式)の対象となった患者様を集計し、対象とならない期間がある患者様は含まれておりません。初回入院開始日時点の満年齢としています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

   診療科ごとに症例数上位5位の診断群分類について集計しています。

     DPCコード          :診断群分類を表すコードで、病気と治療方法の組み合わせによって分類され、同じ病気で
                                 も治療法が違えばDPCコードは異なります。
    名     称         :どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。
    平均在院日数(自院):病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
    平均在院日数(全国):厚生労働省より公表されている全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
    転  院  率        :該当する症例数の内、当院から他の病院へ移動して継続入院(転院)することとなった
                                  患者様の割合です。
総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 64 22.48 20.51 3.13 88.50
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 34 13.79 13.00 0.00 81.97
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし - - - - -
0400800499x00x 肺炎等(市中肺炎以外かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし - - - - -
最も多い疾患は誤嚥性肺炎、次いで尿路感染症です。3位の誤嚥性肺炎の手術ありについて、症例によっては胃瘻造設術を行うこともあります。上位5疾患は全て炎症や感染症で、主に抗菌剤の投与による治療を行いますが、平均年齢88.5歳と高齢者が多いため、入院期間が長引く傾向にあります。転院率は3%程度で、ほとんどの患者様が自宅や高齢者施設への退院となります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 30 2.57 3.39 0.00 67.70
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 16 18.19 18.61 0.00 75.75
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 13 15.38 9.42 0.00 64.92
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり - - - - -
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
呼吸器科内科で最も多い症例は肺癌化学療法入院です。入院日数は治療内容により異なりますが、短期入院を繰り返して行われる治療が多くなっています。肺癌の診断には気管支鏡検査を用いて肺組織の生検を行い腫瘍の有無を調べ、腫瘍の性質に合わせて化学療法を行っています。
次に多い症例は間質性肺炎です。間質性肺炎にはステロイド治療や免疫抑制剤を投与し治療を行っています。また、上記DPCコードには記載ありませんが、当科ではCOVID19治療を行っており、重症度に合わせて治療を選択しています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 29 6.48 8.11 0.00 73.66
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 21 4.76 6.85 0.00 67.81
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 7.87 9.08 0.00 68.73
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 13 7.31 7.74 0.00 62.69
060185xx99x0xx 潰瘍性大腸炎 手術なし 手術・処置等2なし 12 8.17 12.71 0.00 52.92
消化器内科で最も多い症例は、胃の悪性腫瘍に対する内視鏡的治療となっております。消化器内科では、「胃腸センター」「肝臓病センター」「炎症性腸疾患先進治療センター(IBDセンター)」「腫瘍センター」の医師が連携して治療を行っております。当院の特長は、潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患に対する治療を積極的に行っていることです。炎症性腸疾患において外科的手術が必要になった場合は、外科と緊密な連携を図っております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 43 21.40 17.23 0.00 84.42
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 39 3.00 3.07 0.00 71.72
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 28 4.07 4.44 0.00 69.86
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 28 3.43 3.26 0.00 68.86
050060xx99100x 心筋症(拡張型心筋症を含む。) 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
循環器内科で最も多い症例は、心不全です。入院中には超音波検査などを用いた心機能評価、精査後は心臓リハビリテーションを行うなど、他職種による丁寧な治療を行っています。
次に多い症例は、狭心症・陳旧性心筋梗塞などの虚血性心疾患になります。疾患に対し、心臓カテーテル検査での診断から、経皮的冠動脈形成術等(PCI)治療まで院内で完結できる体制を整えております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 61 12.84 14.43 0.00 56.97
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 46 4.57 4.86 0.00 70.07
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 32 5.19 6.02 0.00 59.13
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 30 2.03 2.74 0.00 67.73
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 30 12.07 10.30 0.00 57.50
昨年度に引き続き、良・悪性を問わず消化管疾患、乳腺・甲状腺疾患に注⼒しています。⼀般・消化器外科では腹腔鏡⼿術を標準治療と位置づけ、消化器癌以外に腸管癒着症(腸閉塞)や炎症性腸疾患等の良性疾患にも積極的に導⼊しています。また、上位5位内には入っておりませんが、⼤腸癌を主体とした消化器癌に対する化学療法も積極的に⾏っています。乳腺・甲状腺外科では、乳癌に対してセンチネルリンパ節生検を行い、腋窩部(脇の下)を郭清する・しないを確定する乳腺悪性腫瘍⼿術や、化学療法・放射線療法を⾏い、良好な成績が得られています。鼠径ヘルニアに対する手術は腹腔鏡・開腹どちらも定期的に行っております。下肢静脈瘤を焼灼する手術も行っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等21あり 79 2.06 2.68 0.00 72.41
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 74 20.15 21.03 2.70 68.12
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 58 30.52 23.36 1.72 72.78
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 55 28.84 20.40 0.00 73.67
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 51 21.53 13.96 0.00 38.10
整形外科は入院患者数、手術件数が院内トップであり、その診療内容は多岐にわたります。2020年度は脊椎疾患に対する入院(検査入院・手術入院)が最多でありました。加齢に伴う変形性疾患(股関節、膝関節)や外傷性疾患(骨折、肩関節、膝関節)も多いです。リハビリテーション技術部とも協力し、退院後の生活に向けADLの向上に努めております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 36 2.00 2.04 0.00 57.14
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり - - - - -
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 - - - - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - - - -
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし - - - - -
2020年度も⽿⿐咽喉科で最多症例数は、睡眠時無呼吸症候群に対する検査⼊院です。1泊2⽇で10階病棟の個室に⼊院して頂き睡眠中に検査を⾏います。2位の症例は扁桃炎に対する手術症例と、声帯や顎下腺に対する手術症例です。4位はめまいに対する点滴治療と、甲状腺がんに対する手術症例です。甲状腺がんの手術は当科でも行っております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 34 2.29 2.54 0.00 68.68
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 23 4.87 5.67 0.00 64.09
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 21 6.29 7.13 0.00 72.90
110320xx97xx0x 腎、泌尿器の疾患(その他) その他の手術あり 定義副傷病なし 17 7.88 12.15 0.00 74.00
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 13 7.15 8.52 0.00 72.54
泌尿器科で最も多い症例は、前立腺の悪性腫瘍です。経皮的生検法を行い、腫瘍の詳細を調べ、その状態によって外科的治療・化学療法・放射線治療等を行っております。次いで多い症例は、上部尿路疾患に対する経尿道的尿路結石除去術です。入院期間が5日前後で低侵襲のため、患者様の負担が比較的少ない入院となっております。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 38 2.84 3.11 0.00 40.89
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 29 5.69 6.10 0.00 45.07
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 24 5.75 6.16 0.00 48.75
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 17 5.94 6.56 0.00 39.29
12002xxx99x50x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 定義副傷病なし - - - - -
婦人科で最も多い症例は、子宮頸部の上皮内癌・異形成に対するレーザー治療です。次いで多い症例は子宮筋腫に対する腹腔鏡子宮全摘術、卵巣のう腫の切除、子宮内膜症の手術などです。低侵襲の腹腔鏡手術(腹腔鏡手術や子宮鏡手術)を積極的に行い、早期退院を目指しています。
また、悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん等)に対する手術や、化学療法・放射線治療も多数行われています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
    5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者様の人数を初発のUICC病期(ステージ)分類別、および
   再発に分けて集計したものです。        

   定義:一連の治療期間に入退院を繰り返す場合は、入退院を繰り返した回数分をかけた延患者数となります。

  UICC病期分類とは:国際対がん連合(UICC)によって定められた、原発巣の大きさと進展度(T)、所属リンパ
                 節への転移状況(N)、遠隔転移の有無(M)によって各癌を0期~Ⅳ期の5病期(ス
                テージ)に分類すものです。(本項目においては、0期は集計対象外となります。)

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 23 - - 13 10 10 1 6,8
大腸癌 15 16 13 92 33 32 1 7,8
乳癌 14 12 12 - - 13 1 8
肺癌 - - 12 43 11 42 1 7,8
肝癌 - - - - - 15 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院における5大癌の初発患者数は、大腸癌、肺癌、乳癌の順に多く、大腸癌、肺癌はⅣ期、乳癌はⅠ期~Ⅱ期の患者様が多くなっています。
病期不明となっているものの多くは、退院までに検査結果がそろわないため、病期分類が明らかでないことが理由として挙げられます。
また、大腸癌、肺癌の再発患者数が多くなっています。これは、化学療法で短期の入院を繰り返すためです。
病期の進行、再発にかかわらず、当院の特徴である診療科間の垣根の低い開かれた医療と、コメディカルを交えた質の高いチーム医療を基本とし、患者様個々の状況や考え方等に十分配慮した最適・最善の医療とケアを提供できるよう努めております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

   市中肺炎とは、病院外で日常生活を営む人に起こる肺炎をいいます。この指標では、細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザ等のウィルスによる肺炎、及び誤嚥性肺炎は除外となっています。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 14 16.14 80.71
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
当院では中等症(外来又は入院治療の適応)の患者様が14名と、最も多い結果でした。重症度は、年齢、脱水、呼吸状態、意識障害、血圧 のスコアにより分類されます。年齢の重症度分類に男性70歳、女性75歳以上が該当するため、高齢化に伴い中等症以上の症例が多くなる傾向にあります。超重症例は平均年齢が高いだけでなく、平均在院日数も長くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

   脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。
  定義:最も医療資源を投入した傷病名のICD10が(I63$)である症例を集計しています。 転院については、退院先を「4 他の病院・診
     療所への転院」とし、転院患者数 /全退院数が転院率となります。


発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 22 18.86 76.95 10.34
その他 - - - -
多くは発症3日以内に入院となっています。発症3日以内で入院された方の在院日数は約18.9日、平均年齢は77歳と高齢の方が多くなっています。
当院での加療後、多くは入院前と同じ環境(自宅や高齢者施設)への退院となりますが、10%の方が他病院へ転院されています。転院先はリハビリテーション専門の病院が多くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
 診療科別に手術件数の多い順に5術式について集計し、同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもの
  のみカウントしています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 27 0.15 3.74 0.00 66.19
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層 21 0.05 5.24 0.00 70.43
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 19 1.16 2.32 0.00 69.89
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 7.53 17.67 0.00 82.33
K654 内視鏡的消化管止血術 14 0.64 7.93 0.00 68.79
消化器内科で最も多い症例は、早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術となっております。この手術は、粘膜下層を剥離し粘膜層にある病変を切除する治療法です。次いで多い症例は、ポリープ切除術です。内視鏡下で行うため、患者様の負担が比較的少ない治療となっております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 24 1.00 1.92 0.00 69.71
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 12 0.42 15.83 0.00 74.33
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) - - - - -
K550 冠動脈内血栓溶解療法 - - - - -
循環器内科で最も多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術です。この手術は、心臓の血管内にカテーテルを挿入し、狭くなっている部分をバルーン(風船)で膨らませ、ステント(金網)を留置する治療です。当院では、カテーテル検査を行った後に計画的な治療を行う場合が最も多いですが、緊急で治療が必要な患者様に対しても迅速な治療を行っております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K714-2 腹腔鏡下腸管癒着剥離術 50 1.76 12.40 0.00 53.98
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 33 1.00 3.30 0.00 58.64
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 33 1.06 5.88 0.00 62.94
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 30 0.00 1.03 0.00 67.73
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 30 1.20 2.27 0.00 67.80
低侵襲の腹腔鏡下手術が1位、3位、5位となっております。新型コロナウイルス感染症の影響で手術件数は前年と比較して減少しましたが、それでも腸閉塞に対する手術件数が1位となっております。2位の乳腺悪性腫瘍手術症例は、「診断群分類別患者数等」にもありました乳房の悪性腫瘍に対する手術症例で、腋窩(わきの下)のリンパ節を取らず腫瘍を含む乳腺組織を部分切除する症例です。同じく2位の症例は胆のう炎や胆石症に対する腹腔鏡を使用した手術症例です。4位は下肢静脈瘤に対する焼灼術です。同じく4位の腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は、鼠径ヘルニアを腹腔鏡下で行う手技で、全身麻酔をかけて行います。これとは別に局所麻酔をかけて、お腹を少し切って行う手技も行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 143 1.42 22.76 2.80 70.29
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 65 4.29 26.83 6.15 73.02
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術(肩,股,膝) 42 1.00 5.02 0.00 51.21
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 27 1.44 11.00 0.00 67.07
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 24 1.83 25.88 20.83 79.75
2020年度において最多の症例は変形性疾患(股関節、膝関節)に対する人工関節手術でした。片側、両側手術にもよりますが入院期間は3週間前後となっております。脊椎手術(椎体間固定)も次いで多いですが、脊椎手術の術式は細分化されており全て含めると200件を超える件数となりました。他の外科系診療科と比較すると当科は平均年齢が高い患者様が多いのが特徴です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 24 1.25 3.04 0.00 64.67
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 19 1.21 4.21 0.00 76.63
K823-5 人工尿道括約筋植込・置換術 14 1.00 5.07 0.00 72.93
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除術(ホルミウムレーザー) 14 1.00 5.00 0.00 72.64
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 10 0.80 3.90 0.00 77.80
泌尿器科では経尿道的手術の割合が多くを占めております。この手術は、内視鏡を尿道経由にて挿入して行うものです。低侵襲のため、短い入院期間での治療が可能です。また、人口尿道括約筋植込・置換術は、尿失禁の患者様に行う手術です。近年、尿失禁で悩んでいる患者様の増加に伴い、件数も増加傾向にあります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 28 1.14 5.64 0.00 47.39
K867-4 子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療 22 0.73 1.00 0.00 37.91
K867 子宮頸部(腟部)切除術 16 1.00 1.00 0.00 45.00
K8862 子宮附属器癒着剥離術(両側)(腹腔鏡) 16 1.50 4.06 0.00 38.81
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 15 1.00 4.67 0.00 39.60
婦人科の手術はほとんどが低侵襲の腹腔鏡手術(腹腔鏡手術や子宮鏡手術)であり、早期退院を目指しています。最も多い症例は腹腔鏡下の卵巣腫瘍を摘出する手術です。在院日数は5.8日であり、全国平均よりも短くなっています。また、婦人科悪性腫瘍については、必要であれば根治的な手術を行いますが、可能であれば、子宮頸部上皮内がんや異形上皮に対する子宮頸部レーザー円錐切除や蒸散術などの子宮を温存した縮小手術も積極的に行っています。この子宮頸部レーザー円錐切除や蒸散術は2番目に多い症例となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

   播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率を集計したものです。
   どのような術式・患者様でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
   臨床上ゼロにはなり得ないものの、改善すべき可能性があるものとして、「入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)」と

   「最も医療資源を投じた傷病名」が同一かどうかを区別して、対象患者数と発生率を示したものです。
 

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.54
異なる 18 0.52
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(130100)、敗血症(180010)、その他真菌症(180035)、手術・術後の合併症(180040)について患者数をカウントし、全入院患者に対する発生率を算出しています。
発生率=それぞれの患者数÷全退院患者数×100(小数点第2位まで表示)
「入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)」と「最も医療資源を投じた傷病名」が同一の場合は、その傷病の治療のため入院されたものであり、異なる場合は、様々な要因により、入院後にその傷病に至ったことを示しています。

DPC180040「手術・処置等の合併症」の詳細情報(傷病名)

人工関節のゆるみ、術後創部感染、ステントの閉塞・狭窄、カテーテル感染症、人工関節感染、後出血、造影剤ショック、人工靱帯断裂、透析シャント閉塞などが該当しています。

更新履歴
2021/10/1