令和4年度 北里研究所 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

    DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標です。
   ※患者数が10未満の場合は個人が特定されないようにハイフンで表示しています 。    
   ※当院の一般病棟を退院された患者様のデータを集計の対象として作成しております

年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 43 118 157 332 525 613 954 732 264
昨年度と同様、70歳代の患者様が最も多いです。次に80歳代、60歳代と続きます。全体の中で、70歳以上の患者様が約半数を占めています。 少ない年齢は20歳以下の患者様で全体の5%未満となっています。令和4年度は10歳未満の患者数が1でした。
※DPC(診断群分類に基づく1日ごとの支払方式)の対象となった患者様を集計し、対象とならない期間がある患者様は含まれておりません。初回入院開始日時点の満年齢としています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

   診療科ごとに症例数上位5位の診断群分類について集計しています。

     DPCコード          :診断群分類を表すコードで、病気と治療方法の組み合わせによって分類され、同じ病気で
                                 も治療法が違えばDPCコードは異なります。
    名     称         :どのような病気と治療方法で分類されているかを表します。
    平均在院日数(自院):病院に入院していた日数(在院日数)の平均値です。
    平均在院日数(全国):厚生労働省より公表されている全国のDPC対象病院の在院日数の平均値です。
    転  院  率        :該当する症例数の内、当院から他の病院へ移動して継続入院(転院)することとなった
                                  患者様の割合です。
総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 64 21.22 21.10 7.81 88.75
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 56 14.32 13.61 0.00 84.32
040081xx97x0xx 誤嚥性肺炎 手術あり 手術・処置等2なし - - - - -
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし - - - - -
170020xxxxxx0x 精神作用物質使用による精神及び行動の障害 定義副傷病なし - - - - -
最も多い疾患は誤嚥性肺炎、次いで尿路感染症です。3位の誤嚥性肺炎の手術ありについて、症例によっては胃瘻造設術や輸血を行うこともあります。4位のその他の体液・電解質・酸塩基平衡障害(低ナトリウム血症等)について、症例に合わせて生理食塩水などの点滴治療を行います。上位の疾患は、炎症、感染症であり、主に抗生剤の投与による治療を行いますが、平均年齢が高く、高齢者が多いため、入院期間が長引く傾向にあります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 28 19.79 18.56 7.14 78.32
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 2.67 3.04 0.00 69.44
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 13 7.15 8.59 0.00 63.08
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 10 25.10 13.49 0.00 78.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
呼吸器内科では、急性期の重症呼吸不全から回復期のリハビリテーションまで幅広い呼吸器疾患の治療に複数の専門医が取り組んでいます。特に肺がんに関しては、最も入院症例が多い疾患であり、診断確定から手術(外科)、放射線治療(放射線科)のみならず合併症への対応や疼痛コントロールなどの緩和治療も一つの病院内で行えることが特色です。
また、上記DPCコードには記載ありませんが、当科には非結核性抗酸菌の専門外来があり、薬物治療を目的とした入院治療も行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 39 4.46 6.59 0.00 65.77
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 29 2.66 2.63 0.00 68.38
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 7.30 8.94 0.00 75.44
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 26 5.77 7.62 0.00 71.35
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 24 6.17 7.76 0.00 72.46
消化器内科では、「胃腸センター」「肝臓病センター」「炎症性腸疾患先進治療センター」「腫瘍センター」の医師が連携して診療を行っており、特に潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患に対する先進治療、消化管腫瘍や胆管結石に対する内視鏡治療を積極的に行っております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 29 3.10 3.32 0.00 71.76
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 26 4.15 4.25 0.00 68.23
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 22 22.82 17.54 0.00 85.32
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 18 2.94 3.04 5.56 65.67
050080xx99100x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
循環器内科で最も多い症例は、心臓カテーテル検査を行い、虚血性心疾患の有無を調べる検査入院となっております。虚血性心疾患を認めた場合は、経皮的冠動脈形成術等(PCI)の手術を行っており、診断から治療に至るまで当院で完結できる体制を整えております。症例数3位の心不全については、入院中に超音波検査などを用いた心機能評価を行います。精査後は、医師・看護師・理学療法士などの多職種間で構成される心臓リハビリテーションチームによる運動療法や食事栄養指導、生活指導等のきめ細かなサポート体制が取られております。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx9700xx ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 97 14.74 14.15 0.00 56.62
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 51 4.67 4.58 0.00 69.90
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 37 4.00 9.00 0.00 62.57
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 35 13.09 9.98 0.00 60.11
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 31 5.26 5.66 0.00 58.03
昨年度に引き続き、良・悪性を問わず消化管疾患、乳腺・甲状腺疾患に注⼒しています。⼀般・消化器外科では腹腔鏡⼿術を標準治療と位置づけ、消化器癌以外に腸管癒着症(腸閉塞)(第1位)や炎症性腸疾患等の良性疾患にも積極的に導⼊しています。また、上位5位内には入っておりませんが、⼤腸癌を主体とした消化器癌に対する化学療法も積極的に⾏っています。乳腺・甲状腺外科では、乳癌に対してセンチネルリンパ節生検を行い、腋窩部(脇の下)を郭清する・しないを確定する乳腺悪性腫瘍⼿術(第4・5位)や、化学療法・放射線療法を⾏い、良好な成績が得られています。鼠径ヘルニアに対する手術は腹腔鏡・開腹(第2位)どちらも定期的に行っております。第3位の診断群分類番号(060210XX99000X)は1位の術前検査入院となってます。昨年度は第5位でしたが件数が増加し今年は第3位となりました。当院の腸閉塞外来をホームページでご覧になった患者様が全国から来院されて件数が増加傾向にあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 93 22.14 20.14 2.15 66.52
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等21あり 73 2.19 2.62 1.37 73.59
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 70 28.66 22.43 2.86 73.34
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 54 24.44 20.04 5.56 72.54
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 48 18.98 13.19 0.00 38.42
整形外科は入院患者数、手術件数ともに院内トップとなっております。令和4年度は、加齢に伴う変形性疾患(股関節)に対する手術入院が最多でありました。次いで、脊椎疾患(脊柱管狭窄症等)に対する検査入院、変形性疾患(膝関節)、脊椎疾患(脊柱管狭窄症)、スポーツ障害・外傷による疾患(肘又は膝)に対する手術入院の順となっており、脊椎や四肢の疾患からケガまで幅広く診療を行っております。また、DPC手術ありの平均在院日数では、全国平均と比較し当院は長い傾向がありますが、術後は、各部門と協力し、退院後の生活に向けたリハビリや退院支援にも力を入れております。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 11 2.09 2.62 0.00 80.45
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - - - -
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 - - - - -
眼科では、手術治療を積極的に行っており、白内障手術、緑内障手術、網膜硝子体手術、翼状片手術、角膜移植手術、羊膜移植手術などを行っています。当科は、基本的にDPC対象外病棟へ入院となるため、上記の件数はDPC対象病棟に入院となった件数(緊急入院など)となっています。
外来には角膜、網膜硝子体、ドライアイ、コンタクトレンズについて専門外来を設置しており、より専門的な診断および治療が可能です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 49 2.00 2.02 0.00 60.20
030428xxxxxxxx 突発性難聴 - - - - -
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病なし - - - - -
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり - - - - -
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし - - - - -
令和4年度も⽿⿐咽喉科で最多症例数は、睡眠時無呼吸症候群に対する検査⼊院です。1泊2⽇で10階病棟の個室に⼊院して頂き睡眠中に検査を⾏います。2位の症例は突発性難聴に対する治療です。3位は扁桃周囲膿瘍に対する治療症例です。4位は耳下腺腫瘍に対する手術症例、5位は顔面神経麻痺に対する点滴療法です。2、3、5位の症例は緊急に入院される患者さんがほとんどですが、積極的に受け入れております。予定入院で行われる副鼻腔炎の手術は地域包括ケア病棟に入院して行っております。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 14.90 10.10 0.00 61.00
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 35.20 18.58 0.00 71.70
010060x2990200 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 - - - - -
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - -
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - - - -
脳神経内科では、神経疾患(脳・脊髄・末梢神経・筋肉)の診療を、薬物療法などの内科的な側面から行います。指定難病のパーキンソン病に対する診療体制が整っていることは特長の一つでもあります。症状としては、しびれやめまい、頭痛、もの忘れ、意識障害、うまく力が入らない、歩きにくい、ふらつく、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、勝手に手足や体が動いてしまう、など多様なものがあります。神経疾患の診療はもちろんのこと、他科の疾患の可能性があれば、他科の医師と緊密な連携を図り、必要に応じて適切な科の紹介を行っております。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 82 2.09 2.45 0.00 68.20
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 28 4.36 5.29 0.00 61.57
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 27 6.15 6.84 0.00 70.07
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 17 8.06 7.82 0.00 71.88
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 15 9.87 11.30 0.00 69.13
泌尿器科で最も多い症例は、前立腺針生検を行い、前立腺の悪性腫瘍の有無を調べる検査入院となっております。悪性腫瘍の場合は、外科的治療・化学療法・放射線治療など、患者様一人ひとりの状態に合わせて、最適な治療を提案しております。5位の症例は、前立腺の悪性腫瘍に対して、低侵襲とされる腹腔鏡下で全摘術を行うものになります。また、令和5年度より、国内初導入となる外科手術支援ロボット「ヒューゴ」を用いた腹腔鏡下での全摘術を施行しており、出血量や術後疼痛の軽減、入院期間の短縮など、患者様のさらなるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上が期待されます。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 32 2.91 3.01 0.00 46.50
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 28 6.29 5.98 0.00 45.25
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 28 5.11 6.04 0.00 40.04
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 12 6.08 6.47 0.00 34.25
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 10 3.00 2.80 0.00 41.50
婦人科では、子宮筋腫に対する腹腔鏡子宮全摘術、卵巣のう腫切除、子宮頸部の上皮内癌・異形成に対するレーザー治療を多く行っています。
婦人科良性疾患については、薬物治療や手術治療(子宮卵巣温存手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術等も含めた)をそれぞれの患者さまの状態に合わせて選択します。低侵襲の腹腔鏡手術(腹腔鏡手術や子宮鏡手術)を積極的に行い、早期退院を目指しています。また、上記DPCコードに記載ありませんが、悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん等)に対する手術も行っており、必要に応じて化学療法・放射線治療を単独あるいは平行して行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
    5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者様の人数を初発のUICC病期(ステージ)分類別、および
   再発に分けて集計したものです。        

   定義:一連の治療期間に入退院を繰り返す場合は、入退院を繰り返した回数分をかけた延患者数となります。

  UICC病期分類とは:国際対がん連合(UICC)によって定められた、原発巣の大きさと進展度(T)、所属リンパ
                 節への転移状況(N)、遠隔転移の有無(M)によって各癌を0期~Ⅳ期の5病期(ス
                テージ)に分類すものです。(本項目においては、0期は集計対象外となります。)

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 11 - - - 12 - 1 8
大腸癌 - 12 23 14 41 56 1 7,8
乳癌 35 16 - - - - 1 8
肺癌 17 10 14 18 - 13 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院における5大癌の初発患者数は、大腸癌、肺癌、乳癌の順に多く、大腸癌はⅢ期、乳癌はⅠ期の患者さまが多くなっています。
病期不明となっているものの多くは、退院までに検査結果が全部揃わないため、病期分類が明らかでないことが理由としてあげられます。
病期の進行、再発にかかわらず、当院の特徴である診療科間の垣根の低い開かれた医療と、多職種による質の高いチーム医療を基本とし、患者さま個々の状況や考え方等に十分配慮した最適・最善の医療とケアを提供できるよう努めております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

   市中肺炎とは、病院外で日常生活を営む人に起こる肺炎のことを指します。この指標では、細菌による肺炎を集計しており、インフルエンザ等のウイルスによる肺炎、および誤嚥性肺炎は除外となっております。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - 63
中等症 10 12.6 83.6
重症 - - 86
超重症 - - 90
不明 - - -
当院で最も多い症例は、中等症(外来または入院治療の適応)でした。重症度は、年齢・脱水・呼吸状態・意識障害・血圧の5つの危険因子につき1点加算されます。重症度が高くなるにつれて、平均在院日数が長く、平均年齢が高くなっていくことがわかります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

   脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。
  定義:最も医療資源を投入した傷病名のICD10が(I63$)である症例を集計しています。 転院については、退院先を「4 他の病院・診
     療所への転院」とし、転院患者数 /全退院数が転院率となります。


発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 19 32.05 90.94 10.71
その他 - 34.33 83.33 7.14
多くは発症3日以内での入院となっており、発症3日以内で入院された方の在院日数は約32.05日、平均年齢は90.94歳と高齢の方が多くなっています。
当院での加療後、多くは入院前と同じ環境(自宅や高齢者施設)への退院となりますが、17.85%の方が他病院へ転院されています。転院先はリハビリテーション専門の病院が多くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

  診療科別に手術件数の多い順に5術式について集計し、同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもの
  のみカウントしています。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 51 0.35 3.29 0.00 65.55
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 40 0.98 1.65 0.00 68.58
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 26 0.00 5.42 0.00 72.00
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 17 4.00 9.18 5.88 72.00
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 15 3.07 9.60 0.00 76.67
消化器内科での手術は内視鏡下で行うため、患者様の負担が比較的少ない治療となっております。症例数上位3つは、消化管腫瘍の切除術です。早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術は、粘膜下層を剥離し粘膜層にある病変を切除する治療法です。また、総胆管結石摘出等の目的で行われる内視鏡的乳頭切開術、胆管狭窄や閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ステント留置術等も内視鏡下での手術で行われております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 25 1.32 2.64 0.00 67.56
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - -
循環器内科で最も多い手術は、経皮的冠動脈ステント留置術です。この手術は、心臓の血管内にカテーテルを挿入し、狭くなっている部分をバルーン(風船)で膨らませ、ステント(金網)を留置し、補強する治療です。当院では、2泊3日の心臓カテーテル検査の後に、3泊4日の心臓カテーテル治療を行う計画的な入院が多いですが、急性心筋梗塞などの迅速な治療が必要となる疾患に対しても対応できる診療体制を整えております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K714-2 腹腔鏡下腸管癒着剥離術 66 2.29 15.94 0.00 56.38
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 40 1.18 2.35 0.00 71.68
K716-22 腹腔鏡下小腸切除術(その他のもの) 33 2.97 18.24 0.00 59.36
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴わない) 32 1.22 3.06 0.00 58.53
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 31 1.03 4.58 0.00 67.52
低侵襲の腹腔鏡下手術が1位~3位、5位となっております。腸閉塞に対する癒着剥離術が手術件数1位となっております。3位の小腸切除術は腸閉塞あるいは炎症性腸疾患に対する手術です。2位の腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術は、鼠径ヘルニアを腹腔鏡下で行う手技で、全身麻酔をかけて行います。これとは別に局所麻酔で、前方アプローチで行う手技もあります。4位の乳腺悪性腫瘍手術症例は、「診断群分類別患者数等」にもありました乳房の悪性腫瘍に対する手術症例で、腋窩(わきの下)のリンパ節を取らず腫瘍を含む乳腺組織を部分切除する症例です。5位は胆のう炎や胆石症に対する腹腔鏡を使用した手術症例です。
上位に入っておりませんが、大腸疾患(癌や炎症性腸疾患)や甲状腺に対する手術も、積極的に行っており件数を伸ばしております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 183 1.65 23.92 4.37 70.44
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方椎体固定 70 4.23 23.21 8.57 72.26
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術 肩、股、膝 38 0.97 4.63 0.00 45.45
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 32 1.00 16.31 0.00 40.53
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定 32 4.13 28.31 15.63 73.75
令和4年度最多症例は、脊椎疾患(脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術)であり、この術式は細分化されており、全て含めると年間約250件となっています。また、次いで多い手術は変形性疾患(股関節、膝関節、肩関節)に対する人工関節手術となっています。患者数は昨年より増加傾向にあり、片側、両側手術にもよりますが入院期間は2週間~1カ月前後です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 34 1.68 4.44 0.00 71.91
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 31 1.00 2.42 0.00 63.42
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 28 0.79 4.71 0.00 70.89
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー又は倍周波数レーザーを用いるもの) 17 1.59 5.47 0.00 71.88
K823-5 人工尿道括約筋植込・置換術 - - - - -
泌尿器科では経尿道的手術の割合が多くを占めております。これは、内視鏡を尿道経由にて挿入して行うものです。低侵襲のため、短い入院期間での治療が可能です。人口尿道括約筋植込・置換術は、尿失禁の患者様に行う手術です。近年、尿失禁で悩んでいる患者様の増加に伴い、件数も増加傾向にあります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 31 1.00 3.06 0.00 39.03
K867-4 子宮頸部異形成上皮又は上皮内癌レーザー照射治療 30 0.90 1.00 0.00 46.47
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 14 1.00 5.29 0.00 49.71
K8862 子宮附属器癒着剥離術(両側)(腹腔鏡) 11 1.82 3.36 0.00 35.55
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術(電解質溶液利用) 10 1.00 1.00 0.00 41.50
婦人科の手術はほとんどが低侵襲の腹腔鏡手術(腹腔鏡手術や子宮鏡手術)を行っています。最も多い症例は、腹腔鏡下の良性の卵巣腫瘍(卵巣のう腫等)を摘出する手術です。卵巣腫瘍摘出手術の入院日数は約5日で、早期退院を目指しています。
また、次いで多い症例は子宮頸部上皮内がんや異形上皮に対する子宮頸部レーザー円錐手術や蒸散術であり、子宮を温存とした縮小手術です。なお、婦人科悪性腫瘍に対しては、必要であれば根治的な手術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

   播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率を集計しています。
   どのような術式・患者様でも一定の確率で起こり得るもので、医療ミスとは異なります。
   臨床上ゼロにはなり得ないものの、少しでも改善すべきものとして、「入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)」と「最も医療資源を
      投じた傷病名」が同一かどうかを区別し、対象患者数と発生率を示したものです。


DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 42 1.12
異なる 20 0.53
最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(130100)、敗血症(180010)、その他真菌症(180035)、手術・術後の合併症(180040)について患者数をカウントし、全入院患者に対する発生率を算出しています。
発生率=それぞれの患者数÷全退院患者数×100(小数点第2位まで表示)
「入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病)」と「最も医療資源を投じた傷病名」が同一の場合は、その傷病の治療のため入院されたものであり、異なる場合は、様々な要因により、入院後にその傷病に至ったことを示しています。

180040「手術・処置等の合併症」の詳細情報(傷病名)

人工関節感染・脱臼・ゆるみ、術後創部感染、術後血腫、内視鏡処置後後出血、吻合部狭窄、カテーテル感染、ステント閉塞、透析シャント閉塞などが該当しています。

更新履歴
2023/10/1