甲状腺腫瘍のほとんどが、検診で見つかります。その後、超音波や細胞診で良性と診断されれば、経過を定期的に観察します。
細胞診でがんと診断されても、大きさが1cm以下で、他に転移がみつからなければ、手術せずに経過を観察することもあります。ただし細胞の種類よっては、まず手術を、そして放射線治療、薬物療法をお勧めします。
手術の方法には下図のような3種類の方法があります。

手術の後、放射線治療(アブレーション治療)を追加して行うこともあります。
頚部の傷の長さは、約4-5cmの小さな創で手術を行います。また、手術の創は頚部の「しわ」を利用して目立たないよう心掛けています。
入院期間は概ね1週間程度です。

甲状腺を広範囲に切除すると、甲状腺ホルモン剤を経口で補い続ける必要があります。また副甲状腺を温存できなかった場合は、カルシウムの補充も必要です。
まとめ
甲状腺腫瘍のうち良性腫瘍は原則として超音波による経過観察を行います。
甲状腺がんは低分化腺がんや未分化がんを除き進行の遅いがんですが、再発・転移の可能性もあるので治療後10年は経過観察します。
何れも早期発見と正確な診断が、とても重要です。