フィリップス社よりCPAPについて安全通知(Safety notice)が出されました。CPAP機器内にある防音のためのポリウレタン製発泡体が劣化して細かな粒子となってホース・マスクを介して吸入してしまう可能性があります。本来推奨されていないオゾンを用いたクリーニングが劣化の原因のひとつであることが示唆されています。想定される健康への悪影響としては、頭痛、過敏症、悪心嘔吐、鼻炎、呼吸器関連症状などがあげられます。現時点で、死亡事例などの報告なく、粒子が見られたという不具合報告は全世界で0.03%の割合で、国内において報告はありません。
日本国内でどのような対応となるか未定の状況ですが、フィリップス社では暫定対応として、粒子の曝露を減らす目的でバクテリアフィルタの準備を進めております。
当院では、現時点で国内での粒子発生報告がないこと、CPAP機器の提供・使用方法の違い(米国では自己購入ですが、日本では保険診療でレンタルとなっており5年ごとに機器交換を行っています)、CPAP機器の交換はすぐには困難であること、CPAPを中止することによる睡眠時無呼吸の病状悪化のリスクが懸念されることなどから、CPAP機器使用のメリットがリスクを上回る可能性が高いと思われます。トラブル(ホース内に黒色の粒子が混入するなど)や異常な症状(気道・目・皮膚の刺激、喘息など)がなければ、CPAPの使用を中止しない方針としております。ご不明な点がございましたら、耳鼻科外来受診時にご相談ください。
当院としましては患者さまに滞りない治療継続・提供を最優先に考え、診療に支障を来さぬよう関連学会および関係業者と連携して取り組み、新たな情報を逐次発信して参ります。今後の推移を見守り適切な対応をしたいと思いますので、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本件に関するフィリップス社の患者様専用コールセンターは以下となります。
0800-123-6434(フリーダイヤル 平日 9:00-17:30)
【連絡先】
北里研究所病院 耳鼻咽喉科
電話:03-3444-6161 (代表)
【対応時間】
平日8:30~16:30
土曜日8:30~12:00*第4土曜日を除く