このたび、当院で実施された臨床研究において、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」及び「臨床研究に関する倫理指針」の不適合と判断される事案が発生いたしました。
国が定めた倫理指針に違反する研究が実施されたことにより、患者様をはじめ関係する方々にご迷惑をおかけする結果となりましたことを心からお詫び申し上げます。
本件につきましては外部の有識者を交えた研究調査委員会を設置し、調査及び再発防止の対応を行い、その結果を厚生労働大臣、文部科学大臣への報告を行いましたのでご報告いたします。
研究略称 | 実施時期・人数 | 研究標題(院内研究No.) |
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EDO研究 [本調査の主対象] |
2015/4-2019/3 51名 |
抗凝固薬(エドキサバン、エノキサパリン)の体内動態と臨床効果の個体差発現要因の解明 (研究No.15008、介入研究) |
FON研究 | 2011/2-2015/3 66名 |
抗凝固薬(フォンダパリヌクス、エノキサパリン)の体内動態と臨床効果の個体差発現要因の解明 (研究No.10090、介入研究) |
上記2件の研究は、膝の人工関節置換手術の後に使用される抗血栓薬の効果や副作用に個人差があらわれる要因を調べるもので、使用する医薬品が異なるのみで同じ方法で実施され、2011年2月から2017年8月1日の間に手術を受けられた患者様117名にご協力いただきました。治療効果に悪い影響を及ぼしたり、健康上の被害が生じたりすることはない研究内容でしたが、事前の説明内容が不十分であったこと、ご協力いただいた患者様の試料や情報について倫理指針に則った取り扱いがなされていなかったことなどが判明しました。
該当する患者様には個別に連絡を取り、事案の説明と謝罪をいたしました。一部連絡が取れない患者様がいらっしゃいましたので、この公表をもちまして改めてご説明とお詫びを申し上げます。
本事案により、患者様ならびにご家族の皆様にご心配をおかけしましたこと、及び関連機関をはじめとした関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことに対し、謹んでお詫び申し上げます。今後、このような問題を再び起こすことのないよう、これまで培ってきた再発防止策を徹底しつつ、適正な臨床研究を遂行し信頼回復に努めていく所存です。
以上
臨床研究適正運用管理室
03-3444-6161(代表)
(内線)4812