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主な指標数値

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
外来患者数 241,303人 200,572人 215,027人 217,184人
純初診患者数 7,700人 4,797人 5,636人 5,334人
入院取扱患者数 64,532人 53,674人 58,510人 57,176人
総手術件数 3,318件 2,721件 3,255件 3,498件
平均在院日数 11.3日 12.3日 11.9日 11.7日

看護部

18歳以上の身体拘束実施率

臨床的意義

精神保健法では、身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、 代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方 法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。身体抑制を低減させることは患者の尊厳を守りQOLの向上に繋がる。
※QOL「Quality Of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」とは治療や療養生活をおくる患者の、肉体的・精神的・社会的・経済的な満足度を意味する。

算出定義

分母
18歳以上の入院患者延べ数(patient days)
分母数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
63,501 53,223 58,370 56,946
分子
分母のうち(物理的)身体拘束を実施した患者延べ数(device days) 車いすやベッド上で体幹や四肢を紐で縛る、ミトン型の手袋をつける、つなぎ服を着せる、自分の意志で開けられない部屋に隔離する状態
分子数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
2,571 6,315 6,243 4,959

コメント

看護部では身体抑制低減に向けて取り組んでおり身体抑制中であっても、安全に配慮しながら、できるだけ抑制しない対応を行っている。
実施数の半数は離床センサーのみを使用している件数であった。2021年から身体拘束の実施率はやや増加しているが、理由として、離床センサー台数を増やしたこと、新型コロナウイルス感染拡大に伴う面会制限、人員不足などで従来通りのケアを行うことが困難となったためと推測している。2022年度日本病院協会QIの184病院平均は12.2%であり、当院は8.7%と下回っている。
※日本病院会QIでは、身体拘束実施率の定義を、離床センサーを含めるとしていたが、2023年度から離床センサーは身体拘束に含まないと変更した。

入院患者の転倒・転落発生率

臨床的意義

入院という環境の変化や 疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものを原因とした入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくない。転倒・転落により傷害や骨折など、患者の苦痛、入院の長期化などに繋がります。転倒・転落の発生リスクを低減させ転倒転落を予防することは重要です。

算出定義

分母
入院患者延べ数。調査期間中の入院患者延べ数(24時現在に在院していた患者数および退院患者数)の合計
分母数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
64,532 53,674 58,510 57,565
分子
入院中の患者に発生した転倒・転落件数
分子数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
150 130 160 158

コメント

2019年度から微増しているがレベル2以上の損傷発生率は比較的低く保たれている。
2022年度日本病院会QIの264病院の平均転倒転落率は2.76‰と当院とほぼ同様であったが、65歳以上では3.12‰であり当院3.29‰であり、当院の発生率がやや高かった。損傷レベル2以上は0.75‰であり、当院0.19‰が下回っている。レベル4以上は0.05‰、当院0.07‰とほぼ同様であった。
※損傷発生レベル2は軽度の損傷、レベル4は手術、ギプス、骨折、神経損傷など

中央手術センター

手術室看護師による術前訪問実施率(全身麻酔患者)

臨床的意義

患者にとって手術の具体的なイメージができ、手術に対する疑問を表現できる場となり不安を軽減できる。また手術に必要な要件の確認やアセスメントにより術中のリスク回避に繋げる機会になる。

算出定義

分母
全身麻酔手術件数(当日緊急手術を除く)
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
1,465 1,731 1,772
分子
手術前に手術室看護師が患者と面談した件数
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
673 673 1,021

コメント

術前訪問では術前に必要な情報のみでなく、安心して手術に臨めるよう患者の不安軽減にも働きかけている。患者から得た情報を麻酔科や診療科医師との情報共有に繋げている。手術看護計画では精神的側面のプランが増加するなど患者へ寄り添ったケアに活かしている。手術前日が日祭日の場合や緊急手術の場合には実施困難な場合がある。

手術室看護師による術後訪問実施率(全身麻酔患者)

臨床的意義

術中看護の評価を明らかにし、引き継いだ看護問題が継続されているかを確認する機会となる。病棟看護師との情報共有により継続看護が可能になる。

算出定義

分母
全身麻酔手術件数(当日緊急手術を除く)
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
1,465 1,731 1,772
分子
手術後に手術室看護師が患者と面談した件数
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
114 101 1,351

コメント

2020年度から、件数調査を開始し、2022年度からは全ての全身麻酔施行患者を対象とした。その結果、2022年度では76.2%の患者に実施できた。近年の大幅な実施率向上により、患者へのケアの質向上や職員のやりがいに繋がっている。2020―2021年度は手術関連の影響があった患者のみを対象としていた。

医療サービス向上委員会

患者満足度調査 総合評価(外来)

臨床的意義

日本病院機能評価機構の患者満足度調査により自院評価及び他施設と比較が可能
総合評価は他者への紹介・推薦意向を評価する。

算出定義

分母
総合評価(他者への紹介・推薦意向)を回答した人数
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
194 110 150
分子
総合評価(他者への紹介・推薦意向、1すすめない~5すすめる)の総合計点数 
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
862 478 669

コメント

2021年から日本病院機能評価機構によるベンチマーク比較を実施し、当院は高い外来満足度を維持している。
2022年度総合評価結果では中規模病院(200-400床)70病院中、外来3位の結果であった。(2021年度同11位)

患者満足度調査 総合評価(入院)

臨床的意義

日本病院機能評価機構の患者満足度調査により自院評価及び他施設と比較が可能
総合評価は他者への紹介・推薦意向を評価する。

算出定義

分母
総合評価(他者への紹介・推薦意向)を回答した人数
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
73 59 68
分子
総合評価(他者への紹介・推薦意向、1すすめない~5すすめる)の総合計点数
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
335 272 319

コメント

2021年からベンチマーク比較を実施。当院は高い入院満足度を維持している。
2022年度総合評価結果:中規模病院(200-400床)中、入院3位/64病院。(2021年度同12位)

患者満足度(外来患者)満足・やや満足

臨床的意義

受けた治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者の満足度をみることは、医療の質を測るうえで直接的な 評価指標の重要な一つである。

算出定義

分母
外来患者への満足度調査「この病院について総合的には どう思うか」の有効回答数
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
194 110 150
分子
「不満/やや不満/どちらともいえない/やや満足/満足」の5段階の 「満足・やや満足」と回答した合計数
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
172 95 129

コメント

2020年度から1月を接遇強化月間として身だしなみ・接遇自己チェックや教育ビデオ視聴の取り組みを行っていること、患者からのご意見をから改善に繋げていることの効果と推察する。2022年度日本病院会QIの226病院平均は83.8%であり当院がやや上回っている。

患者満足度(入院患者)満足・やや満足

臨床的意義

受けた治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者の満足度をみることは、医療の質を測るうえで直接的な 評価指標の重要な一つである。

算出定義

分母
入院患者への満足度調査「この病院について総合的には どう思うか」の有効回答数
分母数値 2020年度 2021年度 2022年度
73 59 68
分子
「不満/やや不満/どちらともいえない/やや満足/満足」の5段階の内、「満足・やや満足」と回答した合計数
分子数値 2020年度 2021年度 2022年度
65 54 65

コメント

入院については高い満足度を維持している。2020年度から1月を接遇強化月間として身だしなみ・接遇自己チェックや教育ビデオ視聴の取り組みを行っていること、患者のご意見から改善に繋げていることの効果と推察する。2022年度日本病院会QIの229病院平均は入院89.8%と当院がやや上回っている。

薬剤部

外来経口抗がん剤新規処方患者に対する外来ブース(個室)における個別服薬指導実施率

臨床的意義

適正使用推進と患者アドヒアランス向上および副作用早期発見と対応方法説明
経口抗がん剤を開始された患者さんが服薬意義や使用方法、および副作用の早期発見や対応方法の理解を深め、安心して積極的に治療を受けられるようにする。

算出定義

分母
新規処方患者数
分母数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
37 18 35 36
分子
服薬指導患者数
分子数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
28 12 19 31

コメント

  • 薬剤部では全診療科の経口抗がん剤処方に対して、採血検査の結果を踏まえ投与量、投与スケジュール、相互作用等を確認しています
  • 個別服薬指導は、外科を受診されている患者さんで、且つ医師、看護師からの要請により外来ブース(個室)にて実施しています
  • 2020年度、2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響で個別指導が限られました
  • 2022年度より外科以外の診療科の患者さんも開始しました

入院患者に対する薬剤管理指導実施率

臨床的意義

適正使用推進と患者アドヒアランス向上
入院患者さんが薬物治療の意義や使用方法、および副作用の早期発見や対応方法の理解を深め、安心して積極的に治療を受けられるようにする。

算出定義

分母
入院患者数
分母数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
3,847 3,006 3,335 3,727
分子
薬剤管理指導料算定患者数
分子数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
3,110 2,590 2,952 2,835

コメント

  • 処方薬に対し、投与量、相互作用、重複投薬等を確認した後に、患者さんと面談し、使用方法、効果、副作用等について説明するとともに、効果の程度や副作用の発現状況を確認しています
  • 直接お話しができない患者さんや休日入退院患者さんを除き、ほぼ全員の入院患者さんと面談しています

TDM(薬物血中濃度モニタリング)実施率

臨床的意義

適正使用推進
患者さんの血中(体内)の薬物濃度を予測(測定)することにより、安全かつ効果的な投与量を決定する。

算出定義

分母
処方患者数
分母数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
33 46 45 42
分子
TDM実施患者数
分子数値 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
29 43 40 36

コメント

  • TDM(特定治療管理料算定)の対象は、患者さんの体重や病態(腎・肝機能)に応じて、投与量を調節する必要がある薬剤です
  • 主に、抗生物質、抗真菌薬、抗てんかん薬、免疫抑制薬などが対象になります
  • 抗てんかん薬、免疫抑制薬は必要に応じて、実施しています