文字サイズ
拡大
標準
背景色

体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態が慢性的に続くことです。
日本人の約1割が便秘症であるといわれています。

北里大学北里研究所病院では、患者様に合った生活習慣改善の指導や症状に応じた薬物治療を行います。
また、便秘の原因が他の疾病と判明された場合も、すぐに治療が始められます。

原因は?

  • 便を肛門まで輸送する腸の運動に障害がある場合
  • 腸に狭いところがあり、便が通りにくい場合
  • 直腸・肛門疾患や肛門機能の低下が原因で、便をうまく輩出できない場合
  • 血圧を下げる薬や鉄剤、一部の利尿薬、パーキンソン病の治療薬、一部の感冒薬、向精神病薬等の薬の副作用の場合
    (ただし、これらの薬を服用しているから必ず便秘になるという訳ではありません。自己判断で勝手に薬を中止したりせず、必ず主治医と相談するようにして下さい。)

注意すべき便秘とは?

便秘とともに、以下の症状がある時は、早めに受診しましょう。

  • 便に血が混じる
  • 動悸や息切れがある
  • 便が細い
  • 突然便秘して改善しない
  • 嘔吐や食欲低下
  • 発熱や強い腹痛
  • 体重が減っている

→大腸癌などの重大な疾患が潜んでいる可能性があります

どうやって検査するの?

腹部単純X線 (腹部レントゲン)

便や腸の中のガスの溜まり具合、腸閉塞の徴候の有無などを確認します。

血液検査

主に腸の運動を低下させるような他の疾患の有無、貧血や炎症の有無、栄養状態を評価します。

便潜血検査

大腸がん検診と同様、肉眼では見えない血便の有無を確認します。

大腸内視鏡検査

大腸を直接観察して、腸を狭くしたり、炎症を起こしたりする病気がないかを診ます。ただし腸の運動の異常や腸以外の病気によって起こる便秘は、内視鏡では異常を認めません。その場合は他の検査と組み合わせて詳しく調べる必要があります。

CTスキャン

大腸の周囲の異常を探します。また腸閉塞の診断にも用いられます。

どうやって治療するの?

他の疾患や薬剤などが便秘の原因だとわかったら?
まずは、それらに対する治療・解決を行います。

明らかな原因がない場合は?
生活習慣の改善や薬物療治療を行います。

生活習慣の改善

運動の習慣、規則正しい食生活、十分な睡眠時間、排便の習慣など、生活習慣を改善します。

薬物治療
  • 浸潤性下剤
    薬が腸内の浸透圧を高め、便の水分を増やして排便を促します。
  • 膨張性下剤
    薬そのものが腸内の水分を吸収しゲル状に膨張し、排便量を増やします。
  • 大腸刺激性下剤
    大腸を刺激して、強制的に腸管運動を促進し排便を誘発します。
  • 腸の粘膜上皮の機能を調節する下剤
    腸の粘膜の表面を覆っている「上皮(じょうひ)」と呼ばれる細胞に直接作用して腸の運動が促進され、便秘を改善します。
  • その他
    腸の運動を促進させる漢方薬を使用することがあります。漢方治療をご希望でしたら、東洋医学研究所での治療も可能です。
北里大学北里研究所病院では、患者様に合った生活習慣改善の指導や症状に応じた薬物治療を行います。
また、便秘の原因が他の疾病と判明された場合も、すぐに治療が始められます。