文字サイズ
拡大
標準
背景色

肘関節内側の肘部管と呼ばれるトンネルで尺骨神経(しゃっこつしんけい)が圧迫され、薬指・小指のしびれや痛み、手指の筋力低下や運動障害が生じます。

経験豊富な手外科専門医が患者様のライフスタイルに合わせた治療を行います。手術の場合は、入院手術で神経剥離術や前方移動術を行います。

どんな症状があるの?

薬指や小指のしびれや痛みが出て、次第に感覚がにぶくなります。肘を曲げた姿勢を続けている(頬杖をつく、腕を枕にして寝るなど)と症状が悪化しやすいです。
症状が進行すると、手の中の筋肉(手内筋)が痩せてしまい、握力が低下し、手指の細かい運動(巧緻運動)が困難になります。

原因は?こんな人は要注意!

肘部管症候群は圧迫により生じる神経障害(絞扼性神経障害)の中で2番目に多いです。肉体労働をされている男性に多く、また、過去に肘の外傷(骨折や靭帯損傷)をされた方や変形性肘関節症を有する方にも生じやすいです。野球などのスポーツ障害としても多く生じることが知られています。

どうやって検査するの?

肘部管症候群の診断には問診や身体所見がとても大切です。当院では、問診や身体所見に加えてまず肘関節X線撮影を評価関節変形の有無を判断します。また、超音波画像や電気生理学的検査(神経伝導検査や針筋電図検査)などを組み合わせて総合的に肘部管症候群の確定診断を行います。なお、肘部管症候群に似た症状を呈する他の病態として頸椎疾患や胸郭出口症候群、ギヨン管症候群や神経内科疾患などがあり、それらと鑑別を要する場合があります。

どうやって治療するの?

症状が軽い場合

投薬治療

しびれや痛みを和らげる薬を処方します。

生活指導

肘を屈曲した姿勢が原因になることがあるため、日常生活動作や生活習慣の改善を行います。

症状が進行している場合・早期に根本治療を希望された場合

しびれや感覚障害、握力低下、手指の使いづらさのために日常生活の制限が強い場合や、早期に根本的治療を希望されるような場合には、手術療法が勧められます。
手術では、肘の内側を切開して尺骨神経が圧迫されている肘部管の開放を行います(神経剥離術)。そして、多くの場合では剥離した尺骨神経を肘の前方に移動させて脂肪や筋筋膜で制動します(前方移動術)。
当院では全身麻酔で手術を行っており、入院期間は3日間程度です。
また、術後は約2週間シーネ固定を行います。

肘部管を開放して尺骨神経(白矢印)の剥離を行っている
肘部管を開放して尺骨神経(白矢印)の剥離を行っている