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かゆい湿疹が、身体のいろいろなところにできる病気です。

北里研究所病院の特徴は?

アトピーを専門とする皮膚科専門医が、患者さま一人ひとりに対応したきめ細やかな診察・治療を行い、生活上の注意点なども確認しながら、充実した日常生活を送るお手伝いをいたします。
症状が強い方、一から治療に取り組みたい方に対してはアトピー教育入院(1〜2週間)も行っています。

どんな病気なの?

かゆい湿疹が身体のいろいろなところにでき、良くなったり悪くなったりを繰り返します。
乳幼児期に発症することが多く、10代のうちに自然に治ることもあります。一方、成人になっても1割程度の方にみられます。
湿疹を繰り返す特徴がありますが、適切に治療をすれば、良い状態を保つことができる病気です。

どんな症状があるの?

  • 乳児期
    頭、顔、首などの露出部位にじくじくした湿疹がみられ、やがて体幹、腕、脚にもあらわれてきます。
  • 小児期
    首、わきの下、肘、膝の裏など,関節のところに乾いた湿疹がみられます。
  • 思春期~成人期
    顔、首など上半身を中心に湿疹を繰り返します。
    顔全体が赤ら顔のようになることもあります。

原因は?

アレルギー反応を起こしやすい体質(アトピー素因)と、皮膚のバリア機能(防御機能)の低下が主な原因です。
皮膚のバリア機能が低下すると、健康な皮膚では反応しないような外部からの刺激やアレルゲンに対し、皮膚の内側で過剰な反応が起こり、湿疹やかゆみなどの症状があらわれます。

どうやって治療するの?

日常生活に支障がない状態を長期間保つことが治療のゴールです。

薬物療法

  • 外用薬(塗り薬)
    抗炎症薬:ステロイド・タクロリムス・デルゴシチニブ
    保湿外用薬:皮膚の保護・保湿を行い、バリア機能を補います。
    外用薬を使った外用療法には2つの方法があります。
    詳しくはこちらをご覧ください。

  • 内服薬(飲み薬)
    かゆみを抑える目的の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します。重症の場合は免疫を抑える薬(シクロスポリン)を使用することもあります。

  • 注射薬
    皮膚炎を起こすサイトカインという物質をピンポイントで抑える、分子標的薬による治療法です(代表的な薬:デュピルマブ)。外用薬や内服薬での治療でも症状がおさまらない、重症の方に定期的に皮下注射します。

スキンケア

スキンケアにより皮膚のバリア機能を回復させます。

  • 保湿
    ヘパリン類似物質含有製剤やワセリンなどを塗って、皮膚のうるおいを保ちます。
  • 皮膚を清潔に保つ
    入浴やシャワー時のお湯はぬるめに設定します。体を洗う時は石鹸をよく泡立て、手で優しく洗います。なるべくこすらないようにしましょう。

外用療法

アトピー性皮膚炎の外用療法は2つの方法があり、患者さまそれぞれの症状に合わせて選びます。

リアクティブ療法

抗炎症作用のある塗り薬(ステロイドまたはタクロリムス軟膏)で湿疹を落ち着かせ、改善後は保湿剤のみ外用し、炎症がまた起きた時に再び抗炎症外用薬を使います。

プロアクティブ療法

抗炎症外用薬で湿疹を落ち着かせます。
改善後も、皮疹があった部位に定期的に抗炎症外用薬を塗り、炎症のない状態を保ちます。何度も湿疹を繰り返す方に適した治療法です。

北里研究所病院の特徴は?

アトピーを専門とする皮膚科専門医が、患者さま一人ひとりに対応したきめ細やかな診察・治療を行い、生活上の注意点なども確認しながら、充実した日常生活を送るお手伝いをいたします。

アトピー教育入院

症状が強い方、一から治療に取り組みたい方に対してはアトピー教育入院(1~2週間)も行っています。
アトピーについての講義を通じて知識を深め、アトピーの治療の柱となる外用療法は、医療スタッフ(医師・看護師)と一緒に確認しながら正しい方法を身につけて頂きます。実際に体験して覚えて頂くことで、退院後、普段の生活に戻ってからも良い状態を保ちやすくなります。