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胃粘膜にヘリコバクター・ピロリが感染している状態です。

北里研究所病院では、本件診療のピロリ菌除去治療がまれに不成功に終わった方に、ピロリ菌専門外来で更なる除菌治療を行います。(自費診療)
ペニシリンアレルギーの方には、他の抗生剤で除菌治療を行うなど患者様に適した治療を行います。

ヘリコバクター・ピロリってなに?

ヘリコバクター・ピロリは、オーストラリアの病理医が胃炎患者の胃粘膜に発見した細菌です。
胃の内部は胃液により強酸性になっているため、従来は細菌が生息できないと考えれていました。現在は、ピロリ菌が様々な胃の病気に関わると考えられています。

どんな病気の原因になるの?

ピロリ菌は主に乳幼児期に家族内で感染します。感染しただけでは症状がでませんが、胃や十二指腸の炎症・潰瘍の発生に関わっていると考えられます。
とくに日本では、胃がんになった方の大多数がピロリ菌に感染していたことから、ピロリ菌が引き起こす胃の慢性的な炎症が、がんの発生に関わっていると考えられています。
また、高齢の方ほど感染率が高く、胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性の原因となると考えられています。

どうやって検査するの?

  • 尿素呼気試験
    空腹時に試薬を飲み、吐いた息の中に含まれる炭酸ガスを測定し、ピロリ菌の持つウレアーゼ活性を測定します。
    信頼性が高く、除菌の判定に用いられます。
  • 抗ピロリ抗体測定
    血液中や尿中のピロリ菌の抗体を測定します。
  • 便中抗原測定
    便の中のピロリ菌の抗原を測定します。
  • 培養法
    内視鏡検査で胃粘膜を採取・培養し、菌の有無を診断します。
  • 迅速ウレアーゼ試験
    内視鏡検査で組織を採取し、ピロリ菌の持つウレアーゼ活性を測定します。
  • 組織鏡検法
    内視鏡検査で胃粘膜を採取・染色し、顕微鏡で菌の有無を診断します。

注1)状況に合せて医師が適切な検査方法を選択します。複数の検査を組み合わせて判断する場合があります。
注2)いずれの検査も検査結果がでるまで、1週間程度の時間がかかります。
注3)保険診療でピロリ菌検査を行うには、事前に内視鏡検査が必要です。

どうやって治療するの?

2種類の抗生物質と胃酸分泌を抑制する薬、計3種類のお薬を1週間服用します。これで約90%の方のピロリ菌を駆除することが可能です。この治療は保険診療です。
除菌後の再感染率は年間1-2%程度です。ひとたび駆除ができれば、再感染することはまれです。

北里研究所病院では、本件診療のピロリ菌除去治療がまれに不成功に終わった方に、ピロリ菌専門外来で更なる除菌治療を行います。(自費診療)
ペニシリンアレルギーの方には、他の抗生剤で除菌治療を行うなど患者様に適した治療を行います。