胃粘膜にヘリコバクター・ピロリが感染している状態です。
ヘリコバクター・ピロリは、オーストラリアの病理医が胃炎患者の胃粘膜に発見した細菌です。
胃の内部は胃液により強酸性になっているため、従来は細菌が生息できないと考えれていました。現在は、ピロリ菌が様々な胃の病気に関わると考えられています。
ピロリ菌は主に乳幼児期に家族内で感染します。感染しただけでは症状がでませんが、胃や十二指腸の炎症・潰瘍の発生に関わっていると考えられます。
とくに日本では、胃がんになった方の大多数がピロリ菌に感染していたことから、ピロリ菌が引き起こす胃の慢性的な炎症が、がんの発生に関わっていると考えられています。
また、高齢の方ほど感染率が高く、胃MALTリンパ腫や特発性血小板減少性の原因となると考えられています。
注1)状況に合せて医師が適切な検査方法を選択します。複数の検査を組み合わせて判断する場合があります。
注2)いずれの検査も検査結果がでるまで、1週間程度の時間がかかります。
注3)保険診療でピロリ菌検査を行うには、事前に内視鏡検査が必要です。
2種類の抗生物質と胃酸分泌を抑制する薬、計3種類のお薬を1週間服用します。これで約90%の方のピロリ菌を駆除することが可能です。この治療は保険診療です。
除菌後の再感染率は年間1-2%程度です。ひとたび駆除ができれば、再感染することはまれです。