テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、肘の外側にある手首を反らせる筋肉(短橈側手根伸筋)の付着部に慢性的な炎症・変性が生じて痛みが出る疾患で、腕の繰り返し動作が原因になり生じます。
経験豊富な手外科専門医が患者様のライフスタイルに合わせた治療を行います。手術の場合は、体に負担の少ない内視鏡手術を積極的に行っています(全身麻酔で行うため入院手術)。
また、PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)療法や体外衝撃波治療が有効な場合があります。
肘外側の上腕骨外側上顆と呼ばれる骨の隆起した部分を押すと痛みが出ます。
タオルを絞ったり物を持ち上げたりする動作で強い痛みを感じ、症状がひどくなると安静時や寝ている際に痛みが出る場合があります。
また、肘の曲げ伸ばしの際に痛みを伴う引っかかり感を自覚する方もいます。
テニスやゴルフ、筋トレなどのスポーツや肉体労働、家事、パソコン操作など腕を繰り返し使う動作が原因になり、40〜60歳代の方に多く発症します。
テニス肘の診断は問診や身体所見がとても大切です。当院では、問診や身体所見に加えてまず肘関節X線撮影を行い関節変形や石灰化病変などを評価します。超音波画像検査では、筋付着部の変性や炎症を評価することができます。また、MRIでは関節内の炎症や滑膜ひだ、肘の外側靭帯損傷の評価を行います。
痛みを和らげる薬を処方します。
ステロイド注射が多くの場合で有効です。しかし、同じ部位にステロイド注射を繰り返し行うと、組織が脆弱になり靭帯損傷などを引き起こす可能性があるため、当院では回数を制限しています。
また、当院で行っている再生医療としてPRP療法が有効な場合があります。この注射は自費診療にはなりますが、ステロイドのような組織損傷を引き起こす危険性はありません。
病変部に衝撃波を複数回照射することで、組織修復や血管新生などの作用により痛みが改善する場合があります(自費診療)。
手首を反って物を持つ動作を減らし、また筋肉のストレッチを行うなど、日常生活動作や生活習慣の改善を指導します。
普段行っているスポーツが原因と考えられる場合には、スポーツの休止やフォーム改善などを指示します。
疼痛により日常生活の制限が強い場合や、ステロイドを複数回注射されている場合、早期に根本的治療を希望されるような場合などでは手術療法が勧められます。
手術では、内視鏡を用いて肘関節内から病変部の切除を行います(鏡視下デブリードマン)。関節内の炎症がひどい場合や滑膜ひだが関節に挟待っている場合には、滑膜切除も行います。また、肘の外側靭帯損傷を伴う場合には、靭帯修復・再建も同時に行うことがあります。
当院では全身麻酔で手術を行っており、入院期間は3日間程度です。
靭帯修復を要する場合には、術後に約2週間シーネ固定を行います。