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肺非結核性抗酸菌症・気管支拡張症専門外来

当院では肺非結核性抗酸菌症・気管支拡張症が疑われる、もしくは診断された患者さまのために専門外来を開始しました。受診をご希望の患者さまは、かかりつけ医師からの紹介状を持参のうえ、金曜日午後の初診外来(朝倉 崇徳医師)をご予約の上、受診してください。ご予約は、紹介状を作成いただいた医療機関から当院の医療連携室(電話:03-5791-6135)にお電話して頂き、ご予約をお願いいたします。他院に通院中の患者さまの場合は、画像データと診療情報提供書をかかりつけの医師(医療機関)から当院の医療連携室にFAX(03-5791-6344)をお願いできれば幸いです。

肺非結核性抗酸菌症について

非結核性抗酸菌(NTM: nontuberculous mycobacteria)は結核菌とらい菌以外の抗酸菌であり、現在200種類以上報告されています。肺に慢性呼吸器感染症を引き起こすことが多く、現在罹患率が上昇し、中高年の女性を中心に患者数が増加しています。肺Mycobacterium avium complex (MAC)症(M. avium菌とM. intracellulare菌の総称)が約9割を占めますが、肺M. abscessus症も増加しています。慢性疾患であり、軽症で経過観察のみが必要な方から、進行性で積極的な治療を要する方まで経過は様々です。全身状態、喀痰による菌の検出、画像など様々な状態を複合的に評価し、それぞれの患者さまに最適な医療を提供できるように努めます。診断、治療開始の判断に迷う症例、不安が強い症例、副作用が生じている症例など含めご紹介頂ければ幸いです。

肺非結核性抗酸菌(NTM)症に関する情報提供

外来を担当する当院呼吸器内科医長(北里大学薬学部講師)の朝倉 崇徳医師は肺NTM症・気管支拡張症に関して慶應義塾大学医学部やノースカロライナ大学チャペルヒル校とともに臨床研究やトランスレーショナル研究を推進し、様々なエキスパートとともに勉強しています(長谷川直樹、朝倉崇徳編「症例で学ぶ肺非結核性抗酸菌症」医学書院, 2020年)。難治例や特別な遺伝学的要因などが疑われる患者さまにつきましては、慶應義塾大学病院と連携し診療いたします。また、NPO法人非結核性抗酸菌症・気管支拡張症研究コンソーシアム(NTM-JRC)に所属し、患者さま向けの情報提供をしています。患者さま向けパンフレットや以前の市民公開講座が公開中ですので、ぜひご利用ください。

非結核性抗酸菌症・気管支拡張症研究コンソーシアム(NTM-JRC)
(市民公開講座、患者さま向けパンフレット・資料の提供あり)
http://ntm-jrc.kenkyuukai.jp/information/

第3回NTM-JRCオンライン市民公開講座 いま急増する呼吸器感染症 ~『肺NTM症』ってどんな病気?~
https://www.youtube.com/watch?v=7KQU4HQb36Q