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眼瞼下垂とは、まぶたが瞳を隠すような状態のことです。
眼瞼下垂が進行すると、日常生活に支障をきたすようになります。

図:眼瞼下垂

どんな症状があるの?

眼瞼下垂では、

  • 視野が狭くなる
  • まぶたが重い
  • といった症状の他に、

  • ふたえの幅が狭くなった
  • ふたえが三重、四重になった
  • のような見た目の変化も出てきます。
    視野が狭くなると、眉毛や顎をあげて物を見るようになり、

  • 額のしわが目立つ
  • 頭痛や肩こりが辛い
  • などの症状も出てきます。
    家族や知人から

  • まぶたが下がっている
  • いつも眠たそうにみえる

と言われることもあります。

ちょっとセルフチェック

鏡を見てみましょう

  • まぶたが瞳にかかる
  • 皮膚が垂れてまつ毛の根元が見えない
  • 額に力を入れないと目が開けられない

これらは眼瞼下垂の症状です。

原因は?

眼瞼下垂の原因は加齢にともなう筋肉や皮膚のたるみで、大きく3つのタイプに分けられます。

Ⅰ. まぶたを持ち上げる筋肉のゆるみ

年齢とともに、まぶたを持ち上げる筋肉がゆるみ、充分にまぶたをあけられなくなります。
この場合、上まぶたがくぼんでしまうこともあります。

図

Ⅱ. まぶたの皮膚のたるみ

年齢とともに、まぶたの皮膚がゆるみ、まつ毛の部分にまでかぶさってしまいます。
実際は皮膚のたるみだけの場合は「眼瞼皮膚弛緩症」で、厳密には眼瞼下垂ではありませんが便宜上、眼瞼下垂として説明いたします。

図

Ⅲ. Ⅰ と Ⅱ が同時に起こる場合

筋肉のゆるみと皮膚のたるみが同時に生じることも少なくありません。

図

どうやって診断するの?

Ⅰ. 問診

いつ頃からどのように気づいたか、など問診を行います。

Ⅱ. 測定

まぶたやふたえの幅、眉毛との距離などを測定します。

Ⅲ. 眼球の検査

ドライアイの有無や視力の検査を行います。

眼瞼下垂は手術後、稀にドライアイや視力の低下を引き起こすことがあります。
手術前に予め眼科のチェックをご案内することもあります。

図:眼科診断

どうやって治療するの?

まぶたの筋肉を鍛えることはできません。
ましてや塗り薬などで、ゆるんだ皮膚が引き締まることもありません。
したがって、手術以外に有効な治療法はありません。

手術

局所麻酔で眼瞼下垂の原因となる、ゆるみを引き締めます。
またたるんでしまった余分な皮膚もを切り取ります。
手術時間は1時間から1時間半程度です。原則として日帰りです。ただし、ご自宅が遠方の場合など、
術後1泊入院のコースもあります。
当日は入浴や飲酒、過度の運動は控えていただきます。
翌日に傷の診察を行い、問題なければ入浴、洗髪、洗顔が可能になります
1週間後に来院していただき抜糸し、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後に定期的な診察を行います。

図

手術の方法

眼瞼下垂の3つのタイプ別に、手術の方法をご紹介します。

Ⅰ. まぶたを持ち上げる筋肉のゆるみ

手術前

頑張って目を開けても、まぶたが 瞳にかかっています

図

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手術時

ふたえに沿ってまぶたを切開し、
緩んだ筋肉を糸で縫って引き締めます

図

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術後3ヶ月

まぶたが開けやすくなり瞳もよく 見えるようになりました
傷跡はふたえの線に隠れます

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Ⅱ. 上まぶたの皮膚のゆるみ

手術前

たるんだ皮膚がまつ毛の生え際を隠してしまい、視野を狭めています

図

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手術時

まゆ毛の下の余分な皮膚を取り除き、縫い合わせます。ふたえに沿って切開して皮膚を取り除くこともあります

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術後3ヶ月

被っていた余分な皮膚が取り除かれ、まつ毛も見えるようになりました

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Ⅲ. Ⅰ と Ⅱ が同時に起こる場合

手術前

筋肉のゆるみと皮膚のたるみが同時に生じることも少なくありません

図

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手術時

たるんだ筋肉を引き締め、まゆ毛の直上の余った皮膚を切除します

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術後3ヶ月

瞳を覆っていた皮膚が取り除かれ視界が開けました

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眼瞼下垂の治療は健康保険が適用されます。

ただし、ふたえの形や幅をご自分の好みに形成するなどオプションを加える場合は、自費診療となります。

治療のメリットやデメリットについて事前にお話ししますので、よく理解した上で手術に臨みましょう。