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2017年7月より体外受精(IVF)治療をスタートさせた婦人科。
病院の強みをいかし、婦人科系疾患の治療から不妊治療まで広く診療できる体制を整えました。 すべての女性が安心して治療を受けられる環境づくりに取り組んでいます。

体外受精(IVF)、顕微授精などの高度生殖医療(ART)を開始

近年の晩婚化・晩産化の流れにより、不妊治療への需要が急速に高まっています。 高齢になると妊娠しにくく、流産率も高まることが広く知られるようになり、早い段階での不妊治療を望まれる方も増えてきました。

当院では、これまでタイミング治療から人工授精までの一般不妊治療を行っていましたが、需要の高まりを受けて体外受精(IVF)治療を開始しました。 これまでは治療方法をIVFに移行する際に、他施設で治療を受けねばならず、当院で継続して治療をすることができませんでした。 IVF治療を始めたことで、転院などの負担がなく、継続して当院で治療を受けていただける環境が整いました。

医師だけでなく看護師・コメディカル・事務職などのIVFチームも発足し、その中には、経験豊富な胚培養士もいます。 胚培養士は、卵子・精子や受精卵の管理・培養をし、体外受精や顕微授精などの生殖補助医療を行う、高度な知識と経験を必要とする専門職です。 高度生殖医療ではこの胚培養士が治療の核になります。胚培養士、常勤医師、看護師、事務スタッフをはじめチーム一同、皆さまの「子どもが欲しい」という希望に応えていけるよう取り組んでいます。

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継続した不妊治療が可能

不妊治療というと専門のクリニックでというイメージがありますが、病院での不妊治療には、安心して治療を受けていただける大きなメリットがあります。

例えば、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系疾患があり治療している方がその後に不妊治療を希望する場合、逆に不妊治療中に婦人科系疾患が見つかった場合、当院では病気の治療・手術も不妊治療も同じ医師が担当することが出来ます。 他科の疾患がある方でも院内の専門医等とコンタクトを取りながら治療を行えるのです。こうした病気の治療のためにほかの病院に転院することなく、継続して不妊治療を受けていただけるのは大きなメリットであると考えます。

また、体外受精に興味のある方を対象に「妊活学級」を定期的に開催しています。もちろん当院を受診していない方も参加できます。 IVFの治療について、基本的なことからちょっと詳しい話まで、また自治体からの助成金制度の話も含め、医師や胚培養士からお話しいたします。 普段、治療では表に出ない胚培養士からも培養の仕組みなどを説明しますし、質問があれば、その場で直接聞く良い機会になると思っています。 IVFをすぐ開始したい方から将来のための情報収集として話を聞きたい方まで、幅広く色々な方がお越しになっています。ご興味のある方は是非ご参加ください。

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女性特有の疾患すべてをカバーできる婦人科に

婦人科では不妊外来のほかにも婦人科腹腔鏡外来、子宮内膜症外来、更年期外来と4つの専門外来を開設しており、婦人科系疾患全般に対応しています。 特に、当院の内視鏡手術は実績もあり、専門医の資格を持つ医師もいますので、他院から紹介の患者さまも多いです。

内視鏡手術の方が開腹手術に比べて圧倒的に患者さまの負担も少ないですし、困難症例でも腹腔鏡手術が可能かどうかの相談などを多く受けています。 また更年期障害や子宮脱などの50代、60代で多くなる疾患にも対応しています。

例えば子宮内膜症の方が、不妊治療を希望されているのであれば、継続して診られるように、またその後時を経て更年期の治療をしたいという場合になってもまた当院で治療できるよう、一人の患者さまを継続的に治療したいと考えています。 そのほうが患者さまも安心でしょうし、病気ごとに施設を変えて治療しなくてはならないとなれば患者さまの負担にもなってしまいますから、さまざまな婦人科疾患を当科でしっかり治療できるようにするのが理想です。


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