文字サイズ
拡大
標準
背景色

つくしんぼ(VOL.187)
2021年1月号

新年のご挨拶

 皆様、明けましておめでとうございます。
 昨年は新型コロナウイルスの未曾有の感染拡大に伴い、当院も3月から6月にかけて大幅な診療制限を余儀なくされました。一方、地域住民や当院かかりつけの患者様を守るべく、自院で独自のPCR検査体制を確立するとともに、駐車場内に検査用のプレハブを設置、一部の病棟を新型コロナウイルス専用病棟としました。
緊急性の高い手術はPCR検査とセットで継続致しました。こうして、今日まで院内感染を起こすことなく診療を継続することができましたのも、偏に職員が一丸となって、患者様とともに感染防御に取り組んできた結果に相違ありません。
 当院は1893年北里柴三郎先生の研究を支えるために、福沢諭吉先生のご援助の元、この白金に建てられた日本初のサナトリウムである土筆が岡養生園がルーツです。すでに感染症研究の世界的権威であった北里先生は、そこで実際に結核診療にあたられたのでした。奇しくも現在の壱萬円札は福澤先生、次の千円札には北里先生と子弟が後の世でお札の肖像となられたことには深い因縁を感じざるを得ません。その後の北里先生と一門は世界の感染症研究をリードし続け、その歴史と伝統が大村智先生の栄えあるノーベル賞に結実したといえましょう。現在、世界中が新型コロナウイルスのワクチンを切望しています。ワクチンとは細菌やウイルスを予め人に疑似感染させて抵抗力を引き出す方法ですが、この治療法の考え方は北里先生が考案された血清療法がもとになっています。これも研究所病院に勤める私たちの誇りでもあります。
 北里先生は国民の幸福には健康が不可欠であるという考えのもとに、予防医学の発展に尽力されました。今では、先生は我が国の予防医学の父と崇められ北里研究所創立記念日は「予防医学デー」として日本記念日協会に認定されました。当院は北里先生の教えを忠実に守り、今年も予防医学センターを中心に皆様の健康を守るため充実した予防医療を実践してまいります。
 我が国もますます高齢化社会が進んでまいります。日常生活をつつがなく過ごすためには、足腰などの運動器が働くことが不可欠です。当院は人工関節など熟練の技術で最新の治療法を展開し、専門家の細かいリハビリテーションも併せて行っています。また心臓病治療後の社会復帰に向けた「心臓リハビリテーションセンター」を年明けに開設し、一貫した循環器診療を実現します。
白内障等など老化に伴う眼の疾患も増加の一途を辿っています。そこで、当院は眼科手術室も造設し、眼の診断から治療へのプロセスを円滑化致しました。今春には美容医学センターのリニューアルを予定しており、それによって最新機器を導入して「見た目アンチエイジング」にも挑戦したいと考えております。
 新年が皆様方にとりまして、明るい年となることを祈念しつつ、身を引き締めて職員一同、日々の診療に一意専心してまいる所存であります。

渡邊 昌彦
病院長
渡邊 昌彦

面会制限についてのご案内

地域包括ケア病棟のご案内

病院公式Twitterを開設しました!!

北里大学北里研究所病院公式Twitterアカウントを開設しました。
病院内の取り組みやイベント開催案内等、最新情報を発信しますのでぜひご覧ください。

https://twitter.com/hokken_hospital
アカウント名:@hokken_hospital

【連載】IVFチームに聞く!「知っていますか?妊娠と不妊」⑨

インターネット上に溢れている妊娠や不妊についてのさまざまな情報。
情報が多くあるからこそ、正しい情報を見極めることは難しいものです。そこで、体外受精(IVF)などの高度生殖医療を提供する「IVFチーム」が、妊娠・不妊についてのさまざまな疑問にお答えします。
妊娠や不妊の基礎知識から高度生殖医療まで連載でお届けします!

Q. 妊娠と栄養

 お腹の中の赤ちゃん(胎児)は胎盤を通じて母体から栄養をもらっています。そのため、妊娠中は栄養バランスと適切な食事を心がけ、いろいろな食材から栄養をまんべんなく摂取することが大切です。しかし、普段口にしている食材であっても、妊娠中は避けたい成分や細菌などが含まれている場合もありますので、摂取したい成分と避けたほうがよい成分や細菌、それらの代表的な食材を知っておきましょう。

当院は、妊活中の方や子どもができないとお悩みの方をサポートする体制を整えています。2017年7月より高度生殖医療のひとつ「体外受精(IVF)」を開始し、東京都特定不妊治療費助成事業指定医療機関として患者さま一人ひとりにあわせた治療を行っています。