TDM(治療薬物モニタリング)とは、治療効果や副作用に関する様々な因子をモニタリングしながらそれぞれの患者さまに個別化した薬物投与を行うことです。すなわち、薬物血中濃度(体内の量)と治療効果や副作用の因子をモニタリングすることで、患者さま一人ひとりに適した投与量、投与方法による薬物治療のことです。
お薬の中には、効果が出る濃度と副作用が出やすくなる濃度の差が小さいものや体内に吸収されて排泄されるまでの時間(薬物動態)が患者さま毎に異なるものがあります。これらのお薬(下表)は、より精密な投与量の調節が必要なため、患者さまの血液中の薬物濃度を測定し、その結果を薬剤師が解析し投与量を算出します。薬剤師は解析結果を医師へ報告、相談し、今後の投与計画(投与量、投与方法)が決定します。
TDM用採血時、「身長・体重」、「最後に対象薬剤を服用した時刻」、「普段の服用時刻」、「飲み忘れの有無」、「体調」についての質問票が渡されます。薬物血中濃度の解析に重要な情報なため正確にご回答いただき、お薬お渡し口の薬剤師へご提出ください。
病棟スタッフの指示に従ってください。
TDMについてご不明な点がございましたら、お気軽に薬剤師までご相談ください。
※当院TDM対象薬(2023年4月現在)
抗菌薬 | アミカシン、ゲンタマイシン、アルベカシン、バンコマイシン、テイコプラニン |
抗真菌薬 | ボリコナゾール |
免疫抑制薬 | タクロリムス、シクロスポリン、ミコフェノール酸 |
抗不整脈薬 | アミオダロン、アプリンジン、シベンゾリン、ジソピラミド、フレカイニド、リドカイン、メキシレチン、ピルシカイニド、プロカインアミド |
強心薬 | ジゴキシン |
気管支拡張薬 | テオフィリン |
抗てんかん薬 | カルバマゼピン、クロバザム、ラコサミド、レベチラセタム、ラモトリギン、フェノバルビタール、フェニトイン、バルプロ酸、ゾニサミド |
精神神経用薬 | リチウム |
薬剤師の業務全般については、こちらのページをご覧ください。