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つくしんぼ(VOL.181)
2019年1月号

新年のご挨拶


病院長
渡邊 昌彦

 新年、明けましておめでとうございます。旧年中は当院をご支援、そしてご利用頂きまして誠に有難うございました。本誌「つくしんぼ」は福沢諭吉先生のご支援のもと、白金に北里柴三郎博士が1893年に建てられた「土筆ヶ岡養生園」(当院の前身)の「土筆=つくし」に由来します。以来125年の長きにわたり、当院は皆さまに愛されてまいりました。現在もなお我が国の予防医学の父ともいうべき北里先生の教えを具現化するため、当院の予防医学センターは最先端の検診事業を行っております。また、病院では最新の医療を提供するために、優れた専門家集団によるチーム医療を実践しております。このように当院は大病院では得られないアットホームな心配りが、何にも替え難い特徴と自負してまいりました。

 我が国は未曾有の少子高齢化を迎え、疾病構造も変化し、それに呼応して医療提供の在り方も変わらざるを得ません。私たちはこのような社会情勢に合わせ、地域の医療機関と蜜に連携するため地域包括病棟を設けて個々の患者さまの社会復帰を促してきました。またご紹介いただいた医療機関の先生とタッグを組み診療を継続する二人主治医制を導入しました。これによって、「何でも相談できる」身近なホームドクターと、「専門性の高い」病院のホームドクターの二人の主治医が皆さまの健康管理に携わることになりました。予防医学センターを中心とした二次予防ばかりではなく、独自の一次予防にも力を入れております。当院のメディカルフィットネスは健康増進と体力強化で、ロコモ対策や認知症予防にもつながると考えられています。また、地域の方々には糖尿病や癌など成人病の予防に関する、様々な公開講座を開いて啓もう活動にも力を注いでまいりました。

 私たちは日々皆さまに丁寧で親切、そして迅速に対応させて頂きます。そして北里研究所病院は北里精神の継続を力に変えて、皆さま方の健康管理のため職員一同で力を合わせてまいります。是非、本年も身近な存在として当院を利用して頂けるよう、心よりお願い申し上げます。

当院で活躍する専門・認定看護師

がん看護専門看護師


がん看護専門看護師
久米 恵江

 がん治療は手術療法、抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせた集学的治療が行なわれ、複雑で高度化してきています。がんは長く付き合う病気といわれ、治療を受けながら自分らしい生活を送っていくことが重要で、気持ちのコントロールも非常に大切になっています。

 がん看護専門看護師は、診断初期から終末期までさまざまな時期の患者さまやご家族の相談をお受けしています。個別面談や外来の診察、病状説明などの場に同席させていただいております。ご相談内容は、がんを診断された心の動揺への対処、がん治療に伴う様々な辛さ、医療用麻薬への不安や上手な使い方、家族や職場の人たち、医療者とのコミュニケーション、緩和ケアについてなど多岐に渡ります。私が一番大切にしていることは、患者さまの気持ちをしっかりと聴くことです。その上で患者さまが、ご自身の病状や治療をよく理解し、納得して治療の選択が出来るよう、また生活の工夫が出来るよう支援いたします。

老人看護専門看護師


老人看護専門看護師
和田 奈美子

 当院に入院する患者さまの約7割は65歳以上の方です。治療のために入院しますが、高齢の方にとっては入院によって著しい体力の低下を招いたり、環境変化によってもの忘れが増強することがあります。病気の治療が行えても、今まで行えていた生活が送れなくなることで、生活の質が低下してしまいます。

 病院は治療の場であると同時に生活の場でもあります。老人看護専門看護師は、高齢の患者さまの豊かな最晩年に向けて、ご本人やご家族の方と共に望む生活の実現にむけて、一緒に考えたり、馴染んだ日常生活や生活習慣が継続されることで安心して過ごすことができるよう支援をしています。例えば、身体的な機能が低下して入院前の生活ができなくなった時や口から水分や食事ができなくなった場合に、どのような治療を受けたいのか、どこで生活していきたいのかをお聞きしながら、最善について一緒に考えています。また、病棟や外来看護師と一緒に認知症をもつ患者さまのケアを提供したり、認知症のご家族の方の介護不安などに対し、具体的な方法を提案しています。

相談窓口

  • 入院中は病棟看護師、担当医師
  • 外来通院中の方は各科外来看護師、総合案内

※ご案内・ご相談希望の方はお気軽にお尋ねください。

【連載】IVFチームに聞く!「知っていますか?妊娠と不妊」③

インターネット上に溢れている妊娠や不妊についてのさまざまな情報。
情報が多くあるからこそ、正しい情報を見極めることは難しいものです。
そこで、体外受精(IVF)などの高度生殖医療を提供する「IVFチーム」が、妊娠・不妊についてのさまざまな疑問にお答えします。
妊娠や不妊の基礎知識から高度生殖医療まで連載でお届けします!

Q. 不妊の検査にはどのようなものがありますか?

A. 検査には様々なものがありますが、その中でも代表的な卵巣・卵管・精子の検査を簡単にご紹介します。

  • 超音波検査
    超音波の機械で卵巣や子宮の状態を確認します。卵胞が成長しているか、きちんと排卵されたかを確認します。
  • 卵管造影
    子宮に造影剤を注入し、その広がり方をレントゲンで見ることで卵管が通っているか、子宮に奇形がないか調べます。
  • 精液検査
    精液の量や精子の数、運動率などを検査します。

妊娠率は年齢とともに低下します。検査を受ける年齢に決まりはありませんが、早期に検査を受けることで治療の選択肢が広がります。また、病院に行ったからといって必ず検査を受けなければならないわけではありません。不安に思ったら一度受診し、相談されることをおすすめします。

※当院は、妊活中の方や子どもができないとお悩みの方をサポートする体制を整えています。2017年7月より高度生殖医療のひとつ「体外受精(IVF)」を開始し、東京都特定不妊治療費助成事業指定医療機関として患者さま一人ひとりにあわせた治療を行っています。

【連載】北研病院の連携医療機関

高輪台出川循環器・内科クリニック(東京都港区)

地域を繋ぐ思いやりのハート

 高輪台駅から徒歩2分ほどの距離にあるこちらのクリニックは、明るい陽の光が入る温かみのあるクリニックです。

 出川院長は循環器疾患を専門とされていますが、それだけではなく患者さま一人ひとりの健康状態を包括的に診ることを重視されており、相談に来られた患者さまに答えを導き出すことを大切にされています。開業以来「思いやりの気持ち」を根幹に据え、地域における相談の窓口として医療連携の橋渡しをしたいと診療に取り組まれているそうです。そんな出川院長はご親戚の勧めで医師を志し、恩師の方の勧めで循環器疾患を専門に決められたとのことで、繋がりを大切にされてきた出川院長らしいエピソードがとても印象的でした。

院長プロフィール

出川 敏行(でがわ としゆき)

昭和51年、東邦大学医学部卒業。
東邦大学医学部助教授、せんぽ東京高輪病院(現・東京高輪病院)副院長などを経て、高輪台出川循環器・内科クリニックを開院する。趣味は映画を始めとした芸術鑑賞と釣り。

クリニック情報

URL:http://www.degawa-clinic.com/
住所: 東京都港区白金台2-11-8 永昌ビル3F
最寄駅: 都営浅草線「高輪台駅」
電話番号: 03-5422-9105
おもな診療科: 内科、循環器内科

診療時間
9:00~12:30
14:30~17:00

病院 - 病院間の連携(病病連携)について 東京都済生会中央病院との連携協定

 この度、当院と東京都済生会中央病院は、病院と病院間の連携をさらに強化する目的で「診療連携協定」を締結しました。

 この連携協定は、双方が地域における基幹病院としてそれぞれの特色を生かし地域医療の発展・向上を推進することを目的に締結されており、東京都済生会中央病院は、高度急性期機能(重症の救急患者さんや大きな手術や集中治療を必要とする患者さんのための医療)を持つ医療機関で有り、当院は、急性期ならびに回復期機能である地域包括ケア病棟を持つ医療機関として、双方の地域医療に役立つ医療を提供してまいります。


イベントスケジュール

IBDセンター市民公開講座(無料)

開催日 2019年2月23日(土)
時間 午後1時30分~午後3時30分
場所 北里大学薬学部2201号室
(北里大学北里研究所病院となり)
対象者 どなたでもご参加いただけます。
定員 200名(予約制・先着順)
演題
  1. 「炎症性腸疾患(IBD)の診断や治療に必要な検査」
     炎症性腸疾患先進治療センター 日比 紀文
  2. 「血液や便の検査で何がわかるか」
     消化器内科 清原 裕貴
  3. 「画像検査の種類と特徴」
     炎症性腸疾患先進治療センター 佐上 晋太郎
  4. 「内視鏡検査について」
     消化器内科部長/内視鏡センター長 中野 雅
  5. 「新しいお薬について」
     薬剤部 八木澤 啓司
申込方法 TEL 03-5791-6143(総務課)
またはIBDセンター受付窓口で直接申し込み

体外受精(IVF)セミナー(無料)

開催日 2019年1月19日(土)
時間 午前10時30分~午前11時30分
場所 未定
内容 婦人科部長杉本到医師らによる
体外受精に関する講義、質疑応答
申込方法 TEL 03-3444-6161(代表)
※「婦人科外来へ」とお伝えください。
申込締切 2019年1月16日まで

眼瞼下垂セミナー(無料)

開催日 2019年1月23日(水)
時間 午後2時00分~午後3時30分
場所 アネックス棟(東洋医学総合研究所棟)5階A・B会議室
定員 20名
内容 眼瞼下垂の診察、手術を希望される方への事前説明会
申込方法 TEL 03-5791-6148(美容医学センター)

リビングウイルセミナー(有料)

開催日 2019年2月16日(土)
時間 午前10時00分~午後0時00分
場所 アネックス棟(東洋医学総合研究所棟)5階A・B会議室
定員 30名
内容 リビングウイル作成について、延命治療についての講習
受講料 2,000円(税抜・テキスト代を含む)
申込方法 TEL 03-5791-6345(予約センター)

ロコモ教室(有料)

開催日 2019年6月10日(月)
時間 午後2時00分~午後3時30分
場所 アネックス棟(東洋医学総合研究所棟)5階A・B会議室
内容 ロコモティブ症候群についての解説、簡単な運動のご紹介等
受講料 1,000円(税抜・資料代含む)
申込方法 TEL 03-5791-6345(予約センター)

北研からのお知らせ

【開催報告】「予防医学デー」記念シンポジウムが開催されました

 2018年11月5日(月)に北里研究所大村記念ホールにおいて、「予防医学デー」記念シンポジウムが開催されました。シンポジウムは「予防医学の父」といわれる北里柴三郎博士が北里研究所を設立した11月5日を「予防医学デー」と定め、その趣旨にご賛同いただいた企業の方々や興味をお持ちの地域住民の皆さまをお招きしたもので、基調講演のほか、人々や社員の健康増進に積極的に取り組んでいらっしゃる企業役員さま方によるプレゼンテーションも行われました。
 ご来場いただきました皆さま、誠にありがとうございました。

面会時間の変更について

2018年10月1日(月)より、面会時間を変更いたしました。
ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

  • 平日・土曜日 : 午後2時~午後8時
  • 休日 : 午前10時~午後8時

※休日は日曜日・国民の祝日・国民の休日・年末年始(12月29日~1月3日)