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コースの概要

当コースは、北里大学北里研究所病院内科レジデントプログラム3年コースの履修者が、2年目以降の内科subspecialtyコースとして選択することができる。

コースの目的

糖尿病subspecialtyコースの目的は、内科全般の知識の上に、糖尿病内科の専門性を有して診療や教育に当たれる臨床医を養成する事にある。

当院は、糖尿病診療に当たって、患者教育を中心に据えた独自の臨床を行い、成果と評価を受けている。その中でコメディカルとのチーム医療も確立してきており、本コース履修者もこの考え方や姿勢を身に付けてほしい。本コースの履修者には、当院の目指す患者中心の医療の体現者としての臨床医になるのみならず、生涯においてレジデントやコメディカルに対する積極的な教育者、社会に対する貢献を目的とした純粋なる研究者になってくれることが望まれる。

なお、レジデントやコメディカルに対する教育者たるには、日本糖尿病学会専門医資格の取得が望まれる。本資格の取得には、内科学会認定医であること、糖尿病学会入会から3年の入会期間があること、3年間の糖尿病学会認定施設での研修が必要とされている。専修医1年目で糖尿病学会に入会したとしても、糖尿病専門医試験の受験が可能になるのは、少なくとも卒後6年目以降である。

各年次における具体的目標

  1. 研修1年目
    内科基本研修プログラム準拠する。

    専修医1年目は、一般内科医としての研修最終年であり、内科全般の診療をしながら、糖尿病専門医試験の受験に必要な内科認定医としての研修を修了する。この年は他のsubspecialtyコースと共通である。
    また、糖尿病については、糖尿病学会に入会するとともに、月1回の抄読会を担当し、糖尿病領域における各種ガイドラインや最近の良質のevidenceとなるような論文を読みこなす。
    さらに、年度の後半からは、患者向けの講義の一部を担当し、糖尿病教育を体験する。

  2. 研修2年目

    専修医2年目は、糖尿病専門医の指導の下、糖尿病患者を中心に病棟主治医を務める。また、週1回程度糖尿病外来を担当し、糖尿病診療の主戦場である外来における糖尿病管理を実践する。

    抄読会にて最近の知見を学ぶのみならず、その論文の批判的吟味役も担当し、evidenceの解釈方法についても体験する。
    また、糖尿病学会年次学術集会において臨床研究についての発表を行う。

  3. 研修3年目

    専修医3年目は、前年に引き続いて病棟、外来業務を務めつつ、チーフレジデントとしてレジデント全体の教育に関与していくことが望まれる。さらに、糖尿病教育実務カンファレンスにおいて当院における糖尿病教育のあり方についての検討にも積極的に関与することが望まれる。

    すでに身に付けた論文の集め方、批判的吟味の仕方をもとに、抄読会を運営し、下級レジデントにそのノウハウを伝えていく。 また、患者会(北里しろかね会)への積極的な参加を通じて、患者の心との触れあいを体験する。
    なお、糖尿病学会年次学術集会での発表はもちろんのことである。

  4. 研修4年目以降

    3年目を修了すると、糖尿病における臨床(病棟、外来)、教育(患者、コメディカル)、研究(学会発表)のすべてを経験し、また、実務カンファレンス、患者会、抄読会の運営のすべてを学ぶことができ、今後、日本のいかなる病院で勤める事になっても糖尿病内科を立ち上げ、運営することができるようになっている。

    具体的研修目標については、別の規定に定める。

教育に関する行事

  • 病棟カンファレンス
  • 糖尿病教育実務カンファレンス
  • 糖尿病療養指導士受験勉強会
  • 抄読会
  • 他院との合同カンファレンス(難治症例検討会)(3カ月に1回程度のものが3種ある。多くの場合金曜日19:00~で、場所は持ち回りである)

学会発表および論文執筆

専修医は少なくとも年に1回はしかるべき学会の学術集会において演題を発表すべきである。しかるべき学会としては、

  • 日本内科学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本肥満学会
  • 日本動脈硬化学会
  • 日本免疫学会
  • 日本臨床免疫学会
  • 1型糖尿病研究会
  • 糖尿病動物研究会
  • American Diabetes Association
  • European Association for the Study of Diabetes
  • Immunology of Diabetes Society

などがあげられる。

学会発表し、適正な指摘を受けた演題は論文とし、しかるべき雑誌に投稿すべきである。専修医1年目は和文雑誌でもよいが、2年目以降は世界にむけての報告とすべく英文雑誌を選択することが望ましい。