手術を受ける時になくてはならない麻酔ですが、これを専門とする麻酔科医の数は現在、日本では全国的に大変不足しており、なかなか必要とする手術が行えないといった問題が生じている地域もあります。患者さまは麻酔をかけてもらうことを主な目的として病院を訪れることはまずありません。あくまでも病気やけがの治療として外科手術が必要になった場合に、はじめて麻酔科医の存在に気づく方が多いと思います。
麻酔とは「ただ眠っている間に手術が行われるようにするもの」とお考えの方もいるでしょう。あるいは「いろいろな薬を使ったり、注射をしたりする非常に危険な行為」として、怖れを持っている方もいるかもしれません。確かに麻酔に用いる薬剤には生命維持に必須の機能(呼吸や心臓の動き、血液の循環など)を抑制するものも多くあります。また手術操作には、当然出血や内臓機能の抑制などがともないます。
このような状況で、患者さまの体の状態を監視し、必要に応じて呼吸や循環の補助、輸液、輸血などの処置を行って生命の安全を維持しているのが麻酔科医です。
麻酔という医療行為が厳密な意味で100%安全であるかと問われれば、残念ながらそうとはいえません。しかし、十分な経験、知識、技能を持つ麻酔科医がベストコンディションで行えば、現代の麻酔は非常に安全に行われるレベルに達しています。
航空機に乗って旅行する際に、乗客が多少とも意識する事故の危険性と類似する点があるといえば、ご理解いただけるかと思います。
当院に在籍している常勤麻酔科医は、日本麻酔科学会が認定する麻酔科指導医、もしくは麻酔科専門医を有しています。当院における麻酔科管理による手術件数(局所麻酔で行われる小手術を除く)は年間千数百件で推移しています。
日本人の平均寿命が延びて、80歳を超える高齢の方が手術を受けることも稀ではなくなりました。年齢を重ねることによって生活習慣病をはじめとする、いろいろな合併症が増えてくることは避けられません。
患者さまが抱えているいろいろな内科的疾患(高血圧症、糖尿病、心臓病など)は、できるかぎり手術前に薬物療法や生活指導などの方法で改善しておくことが重要であることはいうまでもありません。しかし麻酔の進歩が、以前なら状態が悪くて、とても手術の対象にならなかったような方にも手術による治療法の可能性を広げたことは確かです。現代の麻酔は手術中のみならず、術後の痛みを和らげることを目的として、硬膜外麻酔(背骨の隙間から針を刺して、カテーテルといわれる細いチューブを数センチ挿入して、そこから痛み止めの薬を注入する方法)を積極的に利用しています。当院でも大開腹手術、開胸手術などでは硬膜外麻酔と全身麻酔を併用する方法が主流になっています。また四肢の手術などでは、末梢神経ブロック(手術を行う部位の神経を選択的に麻酔する方法)を積極的に併用して周術期の痛みの対応を行っています。
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
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上野 哲生 | <役職> 麻酔科部長 <専門> 麻酔科全般 <出身> 北里大学医学部(1998年卒業) | 麻酔科標榜医 麻酔科専門医・指導医 医学博士 |
岡田 美砂 | <役職> 麻酔科副部長 <専門> 麻酔科全般 <出身> 東邦大学医学部(1992年卒業) | 麻酔科標榜医 麻酔科認定医・専門医・指導医 |
西脇 千恵美 | <役職> 麻酔科医長 | 麻酔科標榜医 麻酔科認定医・専門医 |
千田 絢子 | <役職> 麻酔科医員 <専門> 麻酔科全般 <出身> 秋田大学医学部(2007年卒業) | 麻酔科標榜医 麻酔科認定医・指導医 |
吉村 薫子 | <役職> 麻酔科医員 <専門> 麻酔科全般 <出身> 北里大学医学部(2004年卒業) | 麻酔科標榜医 麻酔科認定医・専門医 |
藤野 紗貴 | <役職> 医員 | 麻酔科標榜医 麻酔科認定医・専門医・指導医 |