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概要

もの忘れには、加齢や認知症だけでなく、様々な原因が隠されている場合があります。当外来では、もの忘れの原因を確かめるための診察と検査を行い、診断を付けて正しい治療に導きます。

対象疾患

認知症、うつ病など

もの忘れが多くなると"認知症ではないか"と心配される方は少なくないようですが、もの忘れには年齢的なものと認知症によるもの、また、ストレスやうつによるものがあります。

加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違い

加齢によるもの忘れ 認知症によるもの忘れ
体験の一部を忘れる ヒントを与えられると思い出せる 時間や場所など見当がつく 日常生活には支障ない もの忘れに対して自覚がある 体験全体を忘れる 新しい出来事を記憶できない 時間や場所などの見当がつかない 日常生活には支障がある もの忘れに対して自覚がない

認知症は何らかの原因により記憶や判断力などの脳の働きに障害が起こり、日常生活が送れなくなる「脳の病気」です。認知症の原因は様々で、なかには早急に診断をして治療することで良くなる病気が隠れていることもあります。また、診断を知って、それに合った対応をすることで問題行動を防いだり、もの忘れの進行を緩めることができることもあります。そこで、「もの忘れ外来」では精神科医および脳神経内科医による診察と検査によって診断を行い、ご本人や家族の意思を確認しながら今後の治療と対応の方法を話し合います。

おもな症状

  • 物忘れが多くなった
    同じ話をしたり聞いたりする、約束の日時を忘れる、失くし物や探し物が増えた、水道やガス栓の閉め忘れが目立つ

  • 意欲の低下が目立つ
    今まで好きだったことに関心がなくなった、服装に無頓着になった、日課にしていることをしなくなった

  • 時間や場所がわからなくなった
    慣れた所で道に迷った、時間や場所の感覚が鈍くなった

  • 今までできたことができなくなった
    作業の段取りが悪く時間がかかるようになった、簡単な計算を間違える

  • 性格が変わった
    些細なことで怒りやすくなった、以前より疑い深くなった

診療内容

原則3回の来院により診断を行います。

1回目:初診

  1. 問診:問診票を用いて、ご本人や付き添いの方からのお話をうかがいます。
  2. 医師(脳神経内科または精神科)の問診と診察
  3. 臨床心理士による神経心理学的検査
  4. 血液検査・胸部レントゲン撮影・心電図
  5. 予約検査説明(2回目に行う検査についてご説明いたします)

※ご本人のみでなく、ご本人の日常生活をよくご存じの方(ご家族・ご友人など)の付き添いが必要です。
※服薬しているお薬やお薬手帳をお持ちください。
※かかりつけの医師がいる場合は、診療情報提供書があるとより正確な状態評価ができます。以前に撮影された頭部CT、頭部MRIなどの画像がある場合はそれもお持ちください。

2回目:検査日(診察はありません。検査のみのご来院となります)

検査項目:MRA画像検査・脳血流シンチグラム検査・脳波(このうち医師が必要と認めた検査を行います)

※初回受診時に予約をお取りします
※必要に応じて検査のための来院回数が増えることがあります

3回目:再診 

  1. 結果説明および診断
  2. 今後の治療・対応についての話し合い

※初回受診時に予約をお取りします。
※ご本人のみでなく、ご本人の日常生活をよくご存じの方(ご家族・ご友人など)の付き添いが必要です。

診察、検査は保険診療で実施します。
2回目に行う予約検査の自己負担分は、1割負担の方で次のとおりです。

MRAのみの場合 4,500円程度
MRAと脳波検査の場合5,500円程度
MRAと脳血流シンチの場合12,000円程度

※その他、状態により必要とする検査等が追加される場合があります。

医師紹介

氏名 役職・専門・出身 資格等
飯ケ谷 美峰(いいがや みほ)
<役職>
病院長補佐、脳神経内科部長、健診事業室長、医療福祉相談室長

<専門>
内科一般、脳神経内科、頭痛
<出身>
北里大学医学部(1993年卒業)
日本内科学会認定内科医
日本神経学会神経内科専門医
日本脳卒中学会専門医
日本頭痛学会専門医
日本医師会認定産業医
身体障害者福祉法指定医
難病指定医

北里大学医学部神経内科学講師

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