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特色・方針

日本乳癌学会から認定された乳腺専門医を中心に、乳腺疾患全般の診療と乳がん検診を行っています。マンモグラフィ撮影は、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師の認定資格をもつ女性放射線技師が担当し、検診マンモグラフィ読影認定医の資格をもつ医師が診断を行います。超音波検査は女性臨床検査技師が担当し、医師が診断および精密検査を行います。乳がん検診を希望される患者さまは、予防医学センターで受け付けています。
乳腺手術(乳がん根治、腫瘤摘出生検含む)症例数は年間約100件です。

対象疾患

乳がん、乳房良性疾患(乳腺症、乳腺線維腺腫、乳腺嚢胞、乳管内乳頭腫、嚢胞内乳頭腫、女性化乳房症など)、葉状腫瘍など

乳腺症

乳腺症は、30代から40代の女性によくみられる病状です。症状は、乳腺のしこり、痛み、乳頭分泌などです。超音波検査で水がたまった袋(嚢胞)ができていることもよくあります。これが触診でしこりとして触れることもよくあります。この病状は個人差が大きく、また年齢相応の所もあり、乳腺症と診断されたり、正常範囲とされることもよくありますがいずれも誤りではありません。

乳腺症が乳がんに直接変化することはないと考えられています。しかし乳腺症の方の乳腺は硬くごつごつしていることが多く、乳がんのしこりを小さいうちに自分で発見することが難しくなります。画像検査(マンモグラフィー、超音波など)でも乳がんと紛らわしい所見が出ることもあるので、経時的な経過観察(検査)が必要とされることもあります。

乳腺線維腺腫

乳腺の良性腫瘍の中でもっとも多くみられるのが線維腺腫です。20~30代の比較的若い女性に多く見られます。症状は乳房のしこりで、痛みはありません。このしこりは表面がつるっとした感じで乳房の中で、ころころ動くように触れます。原因は不明ですが、女性ホルモンが関係しているといわれています。

診断は超音波検査が最も良い方法で、穿刺吸引細胞診(注射針で細胞を取ってきて顕微鏡で観察する)で確認されることもあります。
治療は、診断が確実であれば定期的な経過観察が推奨されます。かなり大きくなった場合や、悪性の可能性が否定できない場合は局所麻酔で切除することもあります。
線維腺腫が乳がんに変わることはありません。自分で触ることができる場合がほとんどですから、時々大きさを自分でチェックしたり、定期的に検診施設で検査することをお勧めします。

おもな症状

乳房の違和感、しこり、乳房の痛み、乳頭分泌、腫れが治まらない、乳房の皮膚にへこみ・しわ・くぼみがある、乳房の形に変化がある、検診などで乳房内の石灰化を指摘された

診療内容

当科では、月~金曜日の週5日間、日本乳がん学会から認定された乳腺専門医を中心に、乳腺に発生する病気の診断・治療を行っています。 乳腺の病気には、腫瘍性の病気(乳がん、線維腺腫、葉状腫瘍など)や非腫瘍性の病気(乳腺症、乳腺炎など)があります。乳房のしこり・へこみや乳頭分泌物など、何か気になることがありましたら、受診してください。

乳がんと診断された場合は、乳腺外科医のみならず、放射線治療医、形成外科医、産婦人科医、精神科医、病理医などのほか、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、理学療法士など多職種が協同して患者さまを中心とした医療を展開する必要があります。当院では、乳がんを専門にチーム医療を行う「乳腺・甲状腺外科」を開設して、患者さまを様々な面からサポートする体制を整えています。

行っている検査

マンモグラフィ、乳腺超音波(エコー)、乳房造影MRI、穿刺吸引細胞診、超音波ガイド下針生検、マンモトーム生検(超音波ガイド下、ステレオガイド下)、腫瘤摘出生検、その他(胸腹骨盤部CT、骨シンチグラフィ等)

行っている治療法、手術

治療

化学療法(抗がん剤)、内分泌療法(ホルモン療法)、分子標的療法、放射線治療

手術

乳房温存術、乳房切除術、乳頭乳輪温存乳房切除術、皮膚温存乳房切除術、組織拡張期(ティッシュ・エキスパンダー)挿入、センチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清、腫瘤摘出術、局所切除術など

おもな実績

治療

乳がん手術件数:105件
放射線照射:85件
化学療法:860件

検査

マンモグラフィ:1052件
乳腺エコー:2134件
エコーガイド下針生検:276件
ステレオガイド下マンモトーム:45件

医師紹介

氏名 役職・専門・出身 資格等
五月女 恵一(そうとめ けいいち)
<役職>
乳腺外科副部長

<専門>
乳癌(乳腺疾患)、甲状腺癌(甲状腺疾患)
<出身>
名古屋大学医学部卒業(1986年卒業)
日本外科学会専門医・認定医
日本乳癌学会指導医・専門医・認定医
日本内分泌外科学会指導医・専門医
日本甲状腺外科学会指導医・専門医
日本オンコプラスティックサージャリ―学会 責任医師
検診マンモグラフィー読影認定医
乳がん検定超音波検査実施・判定医
日本がん治療認定医機構認定医

日本乳癌学会 評議員
日本乳癌学会 診療ガイドライン評価委員
日本オンコプラスティックサージュリー学会評議員
前田 日菜子(まえだ ひなこ)
<役職>
乳腺・甲状腺外科医長

<専門>
乳腺・消化器
<出身>
杏林大学医学部(2011年卒業)
日本乳癌学会認定医
日本外科学会専門医
マンモグラフィー読影認定医
乳がん検定超音波検査実施・判定医
日本オンコプラスティックサージャリ―学会 実施医師
池田 正(いけだ ただし)
<役職>
非常勤

<専門>
乳腺外科
<出身>
慶應義塾大学医学部(1974年卒業)
日本乳癌学会専門医・認定医
日本外科学会指導医・専門医・認定医
日本癌治療学会臨床腫瘍専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
マンモグラフィー読影認定医

医学博士
元日本外科学会、日本癌治療学会理事
日本オンコプラスティックサージャリー学会責任医師
日本乳癌学会名誉理事長
日本オンコプラスティックサージャリー学会名誉会員
日本外科学会特別会員
日本内分泌外科学会特別会員
元帝京大学医学部外科学講座主任教授
元日本癌治療学会理事
中村 理恵子(なかむら りえこ)
<役職>
非常勤

<専門>
食道・胃
日本外科学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
マンモグラフィー読影認定医
医学博士