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対象疾患

尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石)

腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿路に結石が生じる病気です。尿路結石は、尿中のカルシウム、シュウ酸、リン酸、尿酸、マグネシウム等の結晶が固まったもので、30~60歳代の男性と閉経後の女性に多くみられます。

おもな症状

突然の腰背部・側腹部・下腹部の激しい痛み(疝痛発作)、血尿が典型的な症状です。これは腎臓で形成された結石が、尿管という腎臓から膀胱につながる細い管に流れて詰まってしまい、腎盂内圧が急激に上昇するために生じます。疝痛発作は夜間や早朝に起こることが多く、通常3~4時間ほど持続します。細菌感染による腎盂腎炎を併発し、38~40度の高熱が出ることもあります。

診療内容

レントゲン検査や超音波検査、CTスキャンなどの画像検査によって診断されます。小さな結石の多くは、尿とともに膀胱から排泄できます。画像診断で自然排石が可能と判断される小さな結石については、水分を多めに摂取して尿量を増加させ、適度な運動を行うことによって結石の下降を図ります。その際に重要になるのは、痛みの管理と、腎臓の働きに問題を起こさないようにすることです。投薬のほか、尿検査や超音波検査などで定期的に経過をみていくことが大切です。
一方、画像診断で自然排石が困難と判断される場合や疼痛発作を繰り返す場合、尿の流出が妨げられ、腎臓に尿が貯留する「水腎症」の状態になるような場合は、砕石治療が必要になります。砕石治療には体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や経尿道的結石破砕術(TUL)、経皮的結石破砕術(PNL)などがあり、個々の状態に合った最適な治療方法を選択する必要があります。結石の大きさが8mmを超える場合は、早期でのESWLやレーザー砕石術を考慮していきます。尿路結石は非常に再発率の高い病気で、60%以上の方に再発するといわれています。再発予防の原則は、飲水量=尿量を増やして尿を薄くしておくことで、目安としては1日2リットル程度の水分摂取です。食事も再発予防において大切な要素となりますが、偏食をなくし、バランスの良い食事を行うことをこころがけましょう。具体的には、動物性たんぱく質やシュウ酸(ほうれん草、チョコレートなど)、塩分(1日10g以下)、糖分、脂肪をとりすぎないことです。カルシウムは制限せずに一定量の摂取が必要とされます。また、尿路結石の成分によっては、内服治療を行うことで再発予防が可能な結石もあります。