当外来では総合病院としての特性を生かし、花粉症・アレルギー性鼻炎の治療として薬物療法、免疫療法、手術療法のすべてを扱っており、これらを適切に組み合わせて総合的な治療を提供しています。
花粉やダニ、ハウスダストなどの原因物質(アレルゲンといいます)が鼻の粘膜に付着し、漿液性鼻汁(水っぱな)・鼻閉(鼻づまり)・くしゃみを引き起こす病気をアレルギー性鼻炎といいます。
アレルギー性鼻炎の中で花粉が原因のものを「花粉症」といい、特にスギ花粉が有名で、日本人の3~4人に1人がスギ花粉症といわれています。
鼻水(水のような)、鼻づまり、くしゃみ、咳、鼻のかゆみ、のどのかゆみ
一般的に、上記のような鼻症状があり検査(鼻汁好酸球検査、皮膚テストまたは血液検査、誘発テスト)で陽性の場合に診断となりますが、当院では主に血液検査(血清特異的IgE抗体検査)、鼻汁好酸球検査で診断を行っています。
治療は薬物療法、免疫療法、手術療法に分けられます。一般的には抗ヒスタミン剤、点鼻ステロイドなどの薬物療法が行われますが、これは対症療法で、薬をやめると元に戻ってしまいます。これに対して免疫療法は長期間にわたり効果が持続する唯一の治療法です。これまでは皮下免疫療法(皮下注射)でしたが、近年舌下免疫療法が開発され、より安全に治療ができるようになりました(安全にはなりましたが、まれにアナフィラキシーなどの重篤な副作用が起こることがあります。当院は総合病院ですので、迅速で適切な対応が可能です)。
当院では積極的に免疫療法を行っております。現在、可能な舌下免疫療法はスギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎です。どちらも保険適用になります。治療には3~5年以上必要になりますが、治療終了後も効果が持続するため、今後妊娠を考えている方や若い方に特に良い治療といえます。
手術療法はレーザー治療・粘膜下下甲介切除術などがあり、日帰りで可能です(下甲介切除は鼻内状況によっては日帰りでできないこともありますので、受診時にご相談ください)。