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保険適用には年齢・回数の制限があります
■年齢制限
治療開始時において女性の年齢が43歳未満であることが保険適用の条件となります。
■回数制限
初めての治療開始時点の女性の年齢が40歳未満の場合は通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合は通算3回までとなります。

生殖補助医療(ART)について

生殖補助医療(ART)には、体外受精や顕微授精、胚(受精卵)凍結保存および融解胚移植などがあります。これらの治療は、一般不妊治療では妊娠が困難な方に適応になる治療法です。

体外受精について

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採卵手術の様子
卵巣で発育した卵子を体内から取り出し(採卵)、体外で精子と受精させ(媒精)、数日間育て(培養)、得られた受精卵を子宮内に戻す(胚移植)方法により、妊娠成立を目的とする不妊治療です。 多数の卵子を採取する目的で、採卵手術を行う前に注射などを用いた排卵誘発を行うこともあります。


顕微授精について

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         顕微授精の様子
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     顕微授精に用いる倒立顕微鏡
体外受精が、精子自ら卵子に侵入することで受精が起こる自然に近い方法であるのに対し、顕微授精は、精子数が少ない、あるいは運動率が悪いために体外受精を行っても受精しないことが予測される場合に適応される方法です。形がよく、運動性も良好な精子を1個厳選し、顕微鏡下にて細い針でその精子を吸引し、直接卵子に注入し受精させます。


胚(受精卵)凍結保存および融解胚移植について

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          胚移植の様子
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      凍結保存⽤液体窒素タンク
体外受精または顕微授精において発生した胚(受精卵)を、液体窒素中で保存する方法を胚凍結保存といいます。胚凍結保存は、胚移植後に良好な胚が残っている場合や、採卵した周期では移植せずに良好胚を一度全て凍結保存(全胚凍結)し、採卵した周期とは別の周期に融解して移植する治療(凍結融解胚移植)を行う場合に行います。複数個凍結できた場合は、次周期以降に融解して採卵を行わずに移植することができます。融解胚には原則として、アシステッドハッチング(胚が着床できるように卵の殻の部分である透明帯を薄くしたり開口する孵化補助)と高濃度ヒアルロン酸含有の移植専用培養液を使用して胚移植を行っています。

スケジュール

大まかな流れとしては、生理が始まってから2~3日目に受診し、血液検査や超音波検査を行います。検査結果に問題がなければ卵巣刺激を開始し、その後卵子の成長を確認するために2~3回診察をします。排卵日(生理13日前後)に採卵および体外受精の処理を行います。受精した卵子は約5日間かけて成長し、順調に成長したものを移植あるいは凍結保存します。
卵巣刺激の方法によって来院回数や注射の回数が異なります。下図を参考にしてください。


当院の不妊治療の特長

  1. ひとりひとりの話を良く聞いた上で治療方針を決めます
    当院の不妊治療は、その方の状態に合わせ排卵誘発法や胚移植の方法を決めて行く、オーダーメイド方式を採用しています。 また、当院の方針である「インフォームドコンセント(情報提供)」もしっかり行いますので、治療に対して安心感をもって望んでいただくことが可能です。

  2. 一般不妊治療から生殖補助医療(ART)までの一貫した治療を行います
    人工授精までを含めた一般不妊治療から体外受精をはじめとする生殖補助医療までの診療を行っているため、スムースなStep upが可能です。
    また、生殖医療専門医を含めた少人数の医師で全ての診療を行っているため、治療に一貫性があります。

  3. 手術の必要な方は当院で身体にやさしい内視鏡手術をうけることが可能です
    不妊の原因検査中や治療中に手術が必要な病気が見つかった場合でも、当院で治療することが可能です。
    また、当院では傷の小さな腹腔鏡手術おなかに傷のつかない子宮鏡手術を積極的に行っているため、 身体にやさしい手術をうけることが可能です。

  4. 各種専門外来、他科と連携して不妊治療を行います
    当院の専門外来である子宮内膜症外来婦人科腹腔鏡外来へも簡単に受診していただくことが可能です。
    また、婦人科腹腔鏡外来担当医は、 腹腔鏡手術の技術認定も取得しているため、より高度な腹腔鏡手術に関するご質問にも対応できます。

  5. 分娩を行う施設と緊密な連携をとっています
    当院では分娩は行っていませんが、治療で妊娠された方にはご希望の分娩施設への紹介状を作成して、責任をもって紹介を行っています。また、特に分娩施設のご希望のない場合には、密接な連携のある慶應義塾大学病院などへ紹介しています。

当院で可能な診療内容

    • タイミング法、ホルモン療法、漢方療法(エキス製剤)、人工授精(AIH)、生殖補助医療(体外受精/顕微授精)、漢方療法(煎じ薬)、鍼灸治療など
      漢方療法(煎じ薬)、鍼灸治療につきましては、漢方鍼灸治療センターへご紹介いたします。※自由診療となります

医療安全への配慮

当院は日本産科婦人科学会のART登録施設に承認、指定されています。これは効果的で安全な医療を行うためであり、妊娠分娩経過も含めた治療経過に関する情報を、個人情報を保護した状態で、日本産科婦人科学会へ報告しています。また院内の安全管理委員会にも参加し、随時症例報告を行い、治療の安全性を高めるよう努力しています。

凍結胚・凍結精子の更新と破棄について

凍結胚・凍結精子の保存期限は凍結保存日より1年間です。
(例 : 凍結保存日 2018年1月3日 → 保存期限 2019年1月末日)

  • ・1年間を超えて保存をご希望の方は更新の手続きを、破棄をご希望の方は破棄の手続きを行っていただく必要があります。(一部保存、破棄の場合は両方の手続きが必要です。)
  • ・対象の方へ、期限2カ月前頃を目安に「凍結胚更新のお知らせ」を発送します。
    ※発送先は病院の基本情報に登録されている現住所への発送となります。電話でのご案内は行いませんのでご了承ください。
  • ・更新または破棄の手続きは、お手元に届きましたら更新期限内に返送をお願いいたします。なお、申請書はこちらからもダウンロード可能です。

初めての方へ

診察時間

月曜日 9:00~11:00 / 14:00~15:30
火曜日 9:00~11:00 / 14:00~15:30
水曜日 9:00~11:00
木曜日 9:00~11:00 / 14:00~15:30
金曜日 9:00~11:00
土曜日 9:00~11:00
日曜祝日、毎月第4土曜日、年末年始を除く

予約方法

予約はお電話で承っております。以下よりご確認ください。


お問合せ先

お問い合わせはお電話で承っております。
03-3444-6161(代表)
※「婦人科外来へ」とお伝えください。
受付時間:月~金曜日 8:30~17:00 / 土曜日 8:30~12:30
日曜祝日、毎月第4土曜日、年末年始を除く

施設案内

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    培養室
    安心で安全な手術室エリアにあります。
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    採卵室/胚移植室
    採卵や胚移植は安心で安全な手術室で行っています。
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    術後安静室
    眺めの良い病室(個室)をご用意しています。
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    採精室
    病室(個室)を利用しているので広く余裕があります。
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    診察室・待合室
    診察室はプライバシーが保たれています。
    待合室の壁には絵画があり、明るい空間でお待ち頂けます。

医師紹介

氏名 役職・専門・出身 資格等
杉本 到(すぎもと いたる)
<役職>
病院長補佐
婦人科部長

<専門>
腹腔鏡手術、子宮内膜症、不妊症
<出身>
慶應義塾大学医学部(1991年卒業)
⽇本で4番⽬の体外受精児出⽣例を持つ東京杉並区の荻窪病院で、約7年にわたり体外受精に従事。

日本産科婦人科学会産婦人科専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡)
母体保護法指定医
日本内視鏡外科学会産科婦人科技術認定医

慶應義塾大学医学部産婦人科学教室非常勤講師
コヴィディエンジャパン Hugo RASシステム Surgeon Certification取得
深澤 祐子(ふかさわ ゆうこ)
<役職>
婦人科医長

<専門>
子宮内膜症、腹腔鏡手術
<出身>
東京女子医科大学(2008年卒業)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
医学博士
コヴィディエンジャパン Hugo RASシステム Surgeon Certification取得
片倉 慧美(かたくら さとみ)
<役職>
医員

<専門>
不妊症・不育症
<出身>
慶應義塾大学(2010年卒業)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本女性医学学会ヘルスケア専門医
日本生殖医学会生殖医療専門医
コヴィディエンジャパン Hugo RASシステム Assist Surgeon Certification取得
竹中 慎(たけなか しん)
<役職>
特任講師

<専門>
ロボット支援下手術、腹腔鏡手術、婦人科腫瘍
<出身>
東北大学理学部生物学科(2000年卒業)
佐賀大学医学部医学科(2006年卒業)
日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
インテュイティブサージカル daVinci Surgeon Certification, Proctor Certification取得
コヴィディエンジャパン Hugo RASシステム Surgeon Certification取得
日本周産期・新生児医学会周産期専門医