糖尿病は合併症として 、失明、透析、神経障害、動脈硬化症などが生じます。これは単に患者さまと糖尿病専門医のみならず、眼科医、腎臓内科医、脳神経内科医、血管外科医、循環器内科医、皮膚科医、形成外科医、整形外科医などが力を合わせてはじめて糖尿病という疾病と立ち向かえることを意味しています。
また、医師だけでなく、看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、健康運動指導士、臨床心理士なども協力して診療にあたらなくてはなりません。 そこで北里大学北里研究所病院では、「糖尿病科」ではなく「糖尿病センター」を設立し、多くの領域にまたがる専門医、多くの職種が集える組織としたのです。
糖尿病の治療は、食事や運動など、患者さまの日々の生活と密接な関連があり、時には長期間に及ぶこともあります。「ゆるやかな糖質制限(ロカボ)」をはじめとする、楽しくて続けたくなる糖尿病療養をめざし、他科の医師・スタッフと連携して診療に取り組んでいます。
糖尿病、メタボリックシンドローム(高血圧、高脂血症、耐糖能異常、食後高血糖状態)
口渇・多飲・多尿などが高血糖の症状として知られます。こむら返り、異常な眠気を訴える方もいます。しかし、ほとんどの糖尿病患者さまは自覚症状がありません。
健診で血糖値が高かった、という理由で受診された患者さまには、ブドウ糖負荷試験を行い、糖尿病の診断を行います。初期の糖尿病を疑われる方は糖尿病教室(全5回)を受講していただき、食事・運動療法を行います。可能であれば、教育入院を受けていただきますと、糖尿病治療のための生活習慣をしっかりと身に着けることができるようになります。
すでに糖尿病と診断されている患者さまにつきましては、合併症検査を行い、必要に応じて他科と連携して診療にあたります。
1型糖尿病の患者さまで、低血糖が頻回であったり、妊娠を希望されている場合には、インスリンポンプ療法をお勧めしています。特に持続血糖モニタリングを伴ったセンサー強化インスリンポンプ療法は低血糖を恐れることなく積極的な治療が可能になったなど、喜びの声を頂戴しています。
糖尿病には食事療法が必須ですが、「食べたいものが食べられない」「食事が楽しくない」ということが課題でした。日本臨床栄養学会理事、日本病態栄養学会評議員を務める当センター長の山田悟医師は、医学的根拠に基づき、なおかつ「楽しく食べながら」治療を継続できる食事療法「ロカボ(ゆるやかな糖質制限)」に力を入れています。厳しい食事制限につらい思いをされている方は、ぜひ一度ご相談ください。
また、総合スポーツ医学センターと連携して運動療法の研究にも力を注いでおり、院内のメディカルフィットネスセンターを利用した運動指導(自費診療)も行っています。
当院では、2024年10月より選定療養費(自費)による持続血糖測定(FreeStyleリブレ2)を導入しました。これによりインスリンを毎日注射していない方へもFreeStyleリブレ2を販売することができるようになりました。
内服薬のみやGLP-1受容体作動薬を使用している方、治療薬を使用せずに経過観察中の方も保険診療と併用することができます。希望される方は、内分泌・代謝内科医師へご相談ください。
日本糖尿病学会の専門医が診療を担当します。特にセンター長の山田悟医師は、医学的根拠に基づいた糖質制限に長年取り組んできました。数多くの著書のほか、食品メーカーと低糖質食品の共同開発も積極的に行っており、糖質制限の第一人者として、各種メディアでも多数取り上げられています。
また、糖尿病は合併症を引き起こすことが多く、患者さまの状態に合わせて各診療科の医師と連携して診療を行います。
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
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山田 悟 | <役職> 病院長補佐、内分泌・代謝内科部長、糖尿病センター長 <専門> 内科一般、糖尿病 <出身> 慶應義塾大学医学部(1994年卒業) | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医・研修指導医 日本糖尿病協会療養指導医 日本医師会認定産業医 医学博士 |
永久 太一 | <役職> 内分泌・代謝内科 医長 <専門> 糖尿病内分泌代謝内科 <出身> 慶應義塾大学医学部医学研究科博士課程 (2021年修了) | 糖尿病専門医 内科学会認定医 総合内科専門医 医学博士 |
小川 惇郎 | <役職> 非常勤 |