人口の3人に1人が高血圧といわれるほど、高血圧は多くの人を悩ませる疾患です。高血圧そのものには症状がほとんどないものの、高血圧が長い期間続くと、腎臓や心臓、脳といった重要な臓器に障害や合併症が生じ、日常生活に著しい制限をきたしたり、場合によっては生命の危機に至ることもあります。このような重要な臓器の障害や合併症を予防する上で血圧の管理はとても重要ですが、一方で適切に血圧のコントロールがされている人はまだまだ少ないと考えられています。
高血圧外来では、ひとりひとりに合った適切な血圧管理を行っていきます。
上の血圧を収縮期血圧といい、下の血圧を拡張期血圧といいますが、この片方もしくは両方が高い状態が高血圧です。多くの人が、単一の原因が同定できず、生活習慣や体質が大きく影響する本態性高血圧です。一方で、それ以外のホルモンの異常や腎臓の機能の悪化、血管の病気など二次的に高血圧を来たすものを二次性高血圧といいます。高血圧の1割程度は二次性高血圧といわれており、早期診断が重要と考えられています。
基本的に自覚症状がない場合が多いです。高血圧により臓器の障害がおこると、その臓器による症状(呼吸困難や夜間頻尿など)が出てくることがあります。
病院での血圧測定と、それに加えて自宅での血圧測定を実施し、高血圧の診断をします。二次性高血圧が疑われる場合には、それぞれの原因にあわせた精査を行います。例えば、二次性高血圧の代表疾患の一つである原発性アルドステロン症は副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される疾患ですが、CTなどの画像検査や、薬剤投与前後で複数回血液検査を行う負荷試験を行い診断していきます。
一般的に高血圧の治療としては、まずは生活習慣の改善が大切になります。減塩や運動、節酒を心がけ、肥満がある場合にはその改善や肥満の予防を行います。栄養士による栄養指導を受ける事ができます。降圧薬による治療は、現在の状態やほかにかかえている疾患にあわせて最適なものを選択します。二次性高血圧についてはそれぞれの原因にあわせた治療を行います。その原因を減らしたり取り除いたりすることによって、高血圧の根治も可能な場合があります。
氏名 | 役職・専門・出身 | 資格等 |
---|---|---|
福田 誠一 | <役職> 副院長、腎臓・高血圧内科部長、総合診療科部長 <専門> 腎臓病・高血圧 <出身> 慶應義塾大学医学部(1999年3月卒業) | 日本内科学会認定内科医・指導医 日本腎臓学会腎臓専門医・指導医 日本医師会認定産業医 身体障害者福祉法指定医 難病指定医 |
高畑 尚 | <役職> 腎臓内科医長 <専門> 腎臓内分泌代謝内科 <出身> 慶應義塾大学医学部(2010年卒業) | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本腎臓学会腎臓専門医 日本透析医学会透析専門医 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医 |
三﨑 美佳 | <役職> 専攻医 <専門> 内科、腎臓内科 <出身> 慶應義塾大学(2021年卒業) | JMECC、緩和ケア講習会修了 |