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北里研究所病院の形成・美容外科は外観のアンチエイジング治療を特徴としています。形成外科専門医が2名在籍しており、病気や加齢等によって起こる外観の変化について治療を行っています。
形成・美容外科部長の石川心介先生には、多くの症例を手掛け治療に力を入れている眼瞼下垂治療についてお話しいただきました。

眼瞼下垂手術で日々の生活をより楽しく

形成外科の専門医による治療

 形成外科は主に体の表面の疾患を扱う診療科です。当科の医師は、形成外科の専門医であり、形成外科をすべて学んだ上でさらに美容外科を学んでいます。形成外科の治療でも見た目に配慮した治療を行っています。
 美容外科治療であっても、解剖学等も含め形成外科の知識のない医師による治療では、患者さまが納得のできない結果となることがあります。また外観の老化変化の原因に病気が潜んでおり、診断と治療が必要な場合もあります。新生児の先天的疾患から高齢者の皮膚がんまで形成外科の基本を学んだ専門医が治療を行いますので、患者さまに安心して受診していただけると思っています。

目が開けづらくなる眼瞼下垂

 眼瞼下垂とは、まぶたが開きづらくなる疾患です。まぶたを持ち上げる筋肉が緩んだり、皮膚が垂れたりして目に覆いかぶさってしまうため、視野が狭くなってしまいます。眼瞼下垂の原因には、先天的なものやハードコンタクトレンズの長期使用、疾病などもありますが、一 番多いのは加齢です。下がってしまうまぶたを無理に開けようとするために、頭周辺の筋肉に負荷がかかって頭痛や肩こりに悩まされたり、疲れやすくなったり、意欲低下や不眠症などの不定愁訴を起こすこともあります。また眼の形が変わってしまったり、額にしわができるなど外観の老化も加速します。
 改善するためには手術療法しかなく、手術は保険適用で受けることができます。軽度の場合は自費診療になりますが、予防的治療と思ってください。

治療プランを複数提示

 眼瞼下垂の手術を希望される方は多く、当科では眼瞼下垂の手術希望者を対象としたセミナーを行っていました。しかし現在、新型コロナウイルス対策のためセミナー開催を見合わせておりますので、手術希望の方は外来でご相談ください。
 「目が開けにくい」という症状で受診された場合、まず診断を行います。眼瞼下垂と診断された場合、どういう対処をするとよくなるのか、メリットとデメリットを細かくお話しして、その結果に基づいた具体的な治療プランを複数提示しています。眼瞼下垂と間違いやすい症状に眼瞼痙攣があります。眼瞼痙攣の場合、眼瞼下垂の手術を受けても改善することはありません。眼瞼痙攣に限らず診断された疾病や症状に応じて、患者さまと相談の上で治療方法を決めていきます。

「視機能」や見た目にも配慮

 当科では手術前に眼科の検査も行い、「視機能」という見える力も考慮して手術を行っています。眼瞼下垂の手術をすると、視力変化やドライアイが起こる可能性があります。手術前に検査をしないと手術がどのような影響を及ぼしたかわからないため、事前の眼科の検査が必要なのです。
 手術は局所麻酔で行います。まぶたを開ける筋肉が緩んでいる人は筋肉の引き締めを行い、まぶたの皮膚がたるんでいる人は皮膚を切除します。手術後は、出血したり腫れたりするので基本的には一泊の入院をお勧めしています。入院いただくほうが、何か起こった時に対処がしやすいということもあります。日帰り手術もできますが、翌日は診察が必要なので、入院を希望される方が多いです。
 目は顔全体の印象に大きくかかわりますので、眼瞼下垂の手術もただ目が開くようになればいいというものではありません。当科では保険の範囲内ではありますが、二重の形や左右のバランスなど、見た目にも配慮して手術を行っています。

毎日の生活が楽になるように

 眼瞼下垂の手術にもデメリットがあります。出血や腫れのほか、左右差や二重の形などが代表的なものです。しかし受診される皆さまにもよくお話ししているのですが、メリットとデメリットを比べた上で、手術を受けた方が日々の生活がより楽になるのであれば積極的に治療を 考えてもよいと思っています。
 眼瞼下垂で手術を受けられる方の多くは50代以降ですが、私が手術をした最高齢の方は93歳までいらっしゃいます。年をとると足腰が弱くな るのに、さらに目も開かなくなると大変だから治せるところは治したいと皆さまおっしゃいます。不自由なまま我慢することはありません。
 眼瞼下垂の患者さまのなかには、徐々に変化していくため眼科で指摘されてはじめてまぶたが下がっていたことに気づく方もいらっしゃいます。また、逆さまつ毛やまぶたのたるみの原因が、眼瞼下垂であることもあります。まぶたで悩んでいらっしゃる方は、是非、診察にいらしていただければと思います。

プロフィール

石川 心介 (いしかわ しんすけ)

石川 心介(いしかわ しんすけ)
2002年 北里大学形成外科・美容外科入局、2008年 北里大学医学部形成外科・美容外科助教、2015年北里大学医学部形成外科・美容外科診療講師、2017年 北里大学医学部形成外科・美容外科講師。
2020年より北里研究所病院形成・美容外科部長。
日本形成外科学会専門医、日本創傷外科学会専門医、医学博士